投資の基礎知識

【超初心者必見】ビットコイン・仮想通貨の始め方をわかりやすく解説

仮想通貨に興味を持つ人は増えているものの、専門用語が多く意味が理解できない。まず何から始めればいいのか?といった声も多いです。本記事では、仮想通貨・ビットコインに関する基本情報から最初にやるべきこと、仮想通貨を始めるまでの一連の準備について解説します。

■仮想通貨(ビットコイン)の基本

最初に「仮想通貨」と「ビットコイン」の違いについて簡単に説明します。

仮想通貨とは?

仮想通貨とは、電子データのみでやりとりが行われる通貨です。ブロックチェーンという技術によって記録・管理されています。

ブロックチェーンとは、情報を記録するデータベース技術の一種です。データを単位(ブロック)で管理し、鎖(チェーン)のようにつなげてデータを保管しています。なんと言ってもメリットは改ざんしにくいことです。大切な資産を守ってくれる要です。

ちなみに日本の金融庁では、仮想通貨の定義を次のように定めています。

  1. 不特定の者に対して、代金の支払い等に使用でき、かつ、法定通貨(日本円や米国ドル等)と相互に交換できる
  2. 電子的に記録され、移転できる
  3. 法定通貨または法定通貨建ての資産(プリペイドカード等)ではない

ビットコインとは?

仮想通貨=ビットコイン(BTC)のイメージが強いかもしれませんが、ビットコインは仮想通貨の種類です。

ビットコイン(BTC)アルトコイン
・世界初の仮想通貨 ・仮想通貨の基軸通貨(中心的存在)
・上限2,100枚に設定されている
・ビットコイン以外の仮想通貨の総称

※ビットコインという仮想通貨はありますが、アルトコインという仮想通貨はありません

仮想通貨の始め方(準備〜売却まで)

仮想通貨を始めるための方法を順番に説明します。

1.仮想通貨取引所に口座を開設するための準備をしよう

口座開設には次の用意が必要です。

  • 仮想通貨取引に使う機器(パソコン・スマホ・タブレットなど)
  • 銀行口座(自分の口座)
  • 本人確認書類
  • メールアドレス

本人確認書類は、顔写真付きがベストです。持っていない人は、市役所や役場に行き、住民票記載事項証明書を発行してもらいましょう。

顔写真のない本人確認書類の場合は、2種類用意が必要なケースもあります。取引所により多少異なることもあるため、あらかじめ口座開設を予定している取引所の規約に目を通しておきましょう。

仮想通貨取引所で口座を開設する

  1. 新規会員登録フォームからメールアドレスを登録
  2. 取引所からメールが届くため、記載URLをクリックして本登録する
  3. 本登録後、本人確認書類を提出
  4. 数日後、自宅住所に届くハガキを受け取り登録に必要なコードを確認
  5. コードを入力し、口座開設完了

日本円取引所口座に入金

口座開設しただけでは、取引を行うことはできません。次の3種類の方法から選んで、入金を行います。

銀行振込入金するための専用の銀行名・支店名・口座番号に振り込む方法です。
コンビニ入金名前の通り、コンビニから振り込む方法です。 ※SMS認証設定が必要なケースあり
クイック入金取引所が提携している金融機関から、インターネットバンキングで振り込む方法です。 ※SMS認証設定が必要なケースあり

仮想通貨を買う

入金を終えたら、実際に仮想通貨を購入しましょう。仮想通貨の購入場所は「取引所」「販売所」の2種類です。

【取引所】

  • 取引相手は、他のユーザー(間に取引所が入る)
  • 買いたい数と値段で注文し、取引所の口座に日本円を入金する
  • 売りたい人の希望価格と一致すれば、取引が成立
  • 一致しなければ、取引は不成立
  • 取引に伴う手数料が発生(販売所より安価)

【販売所】

  • 業者から直接購入
  • 種類と数を指定すれば購入できる
  • 取引所のように「売りたい人がいないから購入できない」ということがない
  • 取引所よりも手数料(スプレッド)は高いケースが多いが、仮想通貨初心者向け

利益が出たら売却、出金

仮想通貨は、利益が出たら売却し出金を行います。仮想通貨は出金の際に手数料が発生します。手数料は仮想通貨取引所によって異なるため、仮想通貨取引所選びの際に確認しておきましょう。

知っておきたい!仮想通貨取引所の選び方

いくつもの仮想通貨取引所がある中、自分に合った取引所の選び方を紹介します。

仮想通貨の種類をチェック

仮想通貨の種類は数千種類以上ありますが、取引所によって取り扱っている仮想通貨は異なります。仮想通貨の目的や技術、将来の値上がりの可能性などが異なるため、多くの仮想通貨を取り扱っているところを選びましょう。

セキュリティの高さをチェック

仮想通貨の取引は、すべてインターネット上で行います。たくさんの資金が集まるため、ハッキングなどのリスクも高く、盗難リスクもあります。

日本国内の仮想通貨取引所では、2段階認証は一般的です。他にもサーバーの安定性やユーザーサポートの充実などをチェックしておくことをおすすめします。

取引手数料をチェック

仮想通貨の取引には必ず手数料が発生します。1回ずつの手数料は安くても、回数を重ねるとコストがかさみます。

  • 取引手数料(スプレッド)
  • 日本円出金手数料
  • 仮想通貨送金手数料

上記の中で最も利用頻度が高いのが、取引手数料です。

仮想通貨のスプレッドとは、取引所で仮想通貨を購入・売却する際に発生する差額です。この差額が取引所の利益となります。

例えば購入価格が10万円、売却価格が9万円の場合、差額の1万円がスプレッドです。取引手数料は無料と書かれていても、スプレッドが発生するケースがあるため、注意しましょう。

スマホアプリの使いやすさをチェック

取引のしやすさは、利益の出しやすさにもつながります。仮想通貨取引所は、24時間365日動いているため、スムーズな操作性が求められます。実際の画面を見た上で、使い勝手の良い取引所を選ぶようにしましょう。

仮想通貨投資のリスクとは

仮想通貨投資には、リスクも存在します。始める前にリスクを理解しておきましょう。

相場変動が大きい

仮想通貨は、一般的な株式投資などと異なり、価格変動(ボラティリティ)が大きい傾向があります。短期間で利益が出るメリットがある一方、その逆に大きな損失が出る可能性もあります。株式投資経験者でも、株式以上の変動に戸惑うことでしょう。

資産盗難・ハッキングの可能性

2018年1月26日、仮想通貨のネム(NEM)がハッキングされた「Coincheck(コインチェック)事件」が発生しました。被害総額は約580億円です。取引所がサイバー攻撃にあった場合や、自分のスマホやパソコンから秘密鍵が漏洩した場合などは、大切な資産が盗難に遭う可能性が考えられます。

詐欺

残念ながら、仮想通貨の交換を持ちかける詐欺の手口は後を絶ちません。SNSや出会い系、マッチングアプリなどを通じて知り合い、投資を持ちかけられるケースもあります。仮想通貨に限ったことではありませんが「とっておきの情報がある」といった誘いには乗らないようにしましょう。

ウォレットの破損

仮想通貨のウォレットをパソコンやスマホに作った場合、破損・紛失により、口座が使用できなくなることがあります。一方、オンライン上に作った場合も、管理者の不手際などにより、利用できなくなる可能性があります。

法律の規制・税制の変更

仮想通貨に関する税制は、今後変更される可能性があります。法律が変わることで、納税額が増える、相場変動がさらに激しくなるといったケースも想定されます。未来の話であり、現時点では断定できませんが、法律の改正などは注目しておきましょう。

初心者が仮想通貨で失敗しないためのポイント

上記で説明したように、仮想通貨にはさまざまなリスクが伴います。無条件で恐れる必要はありませんが、リスクを理解した上で備えることが必要です。

ここからは、初心者が仮想通貨を始める際に失敗しないために注意すべきポイントを紹介します。

投資は余剰資金や少額取引から始めよう

仮想通貨に限ったことではありませんが、投資は余剰資金で行うものです。生活資金など、なくなってしまっては困るものに手を出すことはやめましょう。

また、仮想通貨は株式や不動産以上に価格変動が激しいため、投資初心者が行う場合は、少額取引からのスタートがおすすめです。

1,000円から始めることもできるため、まずは取引に慣れることを優先しましょう。最初は特にシンプルな方法がベストです。

分散投資でリスク分散

分散投資とは、複数の通貨に分散して資金を投資することです。もしもAの通貨の価値が激減したとしても、B、C、Dの通貨に投資をしていれば、損失が補える可能性もあります。

取引所に関しても、複数の取引所で口座をつくることをおすすめします。ネットワークトラブルなどでひとつの取引所が利用できなることも想定しておきましょう。

保管には、コールドウォレットを使用

ウォレットには、大きく分けてインターネットに接続できる媒体の「ホットウォレット」とオフライン下の「コールドウォレット」があります。

秘密鍵を紙に書いておく「ペーパーウォレット」、専用デバイスやコインなどの「ハードウェアウォレット」が一般的です。

コールドウォレットを使用することで、不正アクセスによる仮想通貨の盗難を防ぐことができます。しかし、一方で秘密鍵を物理的に保存する必要があり、現実の盗難・紛失リスクには弱い点には注意が必要です。

支払いには使いにくい点も踏まえ、保管用としてコールドウォレットを使うことが現実的でしょう。

初心者におすすめ!仮想通貨取引所

Coincheck(コインチェック)

初心者にまずおすすめしたいのは、Coincheck。なんといっても業界最大の17種類の仮想通貨が購入できる点がポイントです。(2024年1月時点)

  • BTC(ビットコイン)
  • ETH(イーサリアム)
  • ETC(イーサリアムクラシック)
  • LSK(リスク)
  • FCT(ファクトム)
  • XRP(リップル)
  • XEM(ネム)
  • LTC(ライトコイン)
  • BCH(ビットコインキャッシュ)
  • ONA(モナコイン)
  • XLM(ステラルーメン)
  • QTUM(クアンタム)
  • BAT(ベーシックアテンショントークン)
  • IOST(アイオーエスティー)
  • ENJ(エンジンコイン)
  • OMG(オーエムジー)
  • PLT(パレットトークン)

スマホアプリもボタンの位置やチャートが見やすいと好評です。また、取引所の取引手数料も無料(※販売所はスプレッドが必要)です。レバレッジ取引には対応していませんが、初心者の場合は現物取引がおすすめのため、特に気にしなくて良いでしょう。

bitFlyer(ビットフライヤー)

販売所と取引所の両方の取引を利用できるbitFlyer。初心者のうちは販売所、仕組みを理解した上で取引所を使うなどの使い分けが可能です。Coincheckには少し及ばないものの、販売所では14種類の仮想通貨を取り扱っているため、十分な数といえるでしょう。レバレッジ取引にも対応しています。

さらにポイントは、銀行振り込みの場合手数料が無料になること。24時間365日いつでも入金可能な便利な「クイック入金」に関しても、住信SBIネット銀行なら手数料無料です。

GMOコイン

東証一部・GMOインターネットのグループ会社のGMOコイン。販売所・取引所の両方で仮想通貨の売買が可能です。コールドウォレット管理とマルチシグ(※)対応などセキュリティ対策の徹底ぶりは群を抜いています。

※マルチシグとは:インターネット上のセキュリティ技術の一種です。シングルシグに比べ、より強固なセキュリティを誇ります。

仮想通貨はいくらから購入できる?

仮想通貨の最低購入額は、取引所により異なります。現物取引であれば、1,000円程度から購入できるところもありますよ。

取引所のビットコインの最小購入額(2024年3月7日時点)は次の通りです。

取引所最小購入額
コインチェック0.005BTCかつ 500円(相当額)以上から
DMMビットコイン0.0001BTC
GMOコイン0.0001BTC
bitFlyer0.001BTC

例えば、1BT=438万円の場合、0.0001BTCから購入できる取引所であれば、438円から始めることが可能です。

ただし、仮想通貨取引には、仮想通貨売買資金以外に「入金手数料」「取引手数料」が必要です。仮想通貨取引所により手数料は異なるため、取引所を選ぶ際には、手数料をチェックしておきましょう。

少額資金でも儲けられる?知っておきたい「現物取引」と「レバレッジ取引」の違い

一般的な取引方法である「現物取引」は、実際に通貨を購入し、保有している通貨の範囲内で行う取引です。「安く買高く売る→安く買う」の繰り返しで利益を出すため、初心者にもイメージしやすいはずです。

一方、レバレッジ取引は実際に通貨を購入しているわけではありません。「証拠金」を担保に、2倍の金額の取引が可能です。

(例)10万円の資金×2倍(レバレッジ)=20万円の取引が可能!

利益が2倍になるメリットがある一方、損失も2倍になるリスクがあります。そのため、仮想通貨初心者には、レバレッジ取引をおすすめしないケースが多いです。取引に慣れてきてから行うようにしましょう。

仮想通貨初心者のよくある質問

最後に、仮想通貨初心者の方がよく疑問に思うポイントについて紹介します。

仮想通貨を買うと税金がかかるってホント?

仮想通貨は保有しているだけで税金がかかることはありません。ただし、売買を行い、給与以外に年額20万円以上の利益が出た場合は要注意。確定申告で「雑所得」として申告し、所得税を支払う義務が発生します。

仮想通貨は1,000円からでも始められる?

仮想通貨は、多額の元手がない人であっても始めることができます。前述したように、現物取引であれば1,000円から買うことができます。

またビットコイン積立のように、毎月一定額を積み立てることもできます。1,000円ですぐに利益を出すというよりは、長期的な視野で見ていくといいでしょう。

仮想通貨は、今から買っても儲かる?

仮想通貨、ビットコインが世間に出てきたのは、2008年のことです。「すでに儲けられる時期は過ぎたのでは?」「今から始めても遅いのでは?」といった意見もあります。しかし、2024年6月8日、中央アメリカのエルサルバドル共和国がビットコインを「法定通貨」として承認するなど、ビットコインの将来性は年々高まっています。

価格は常に上昇を続けているわけではなく、過去には何度も暴落しています。しかし、仮想通貨市場全体の時価総額の高さや、実用性の伸び代などからも、まだまだ利益を出せる余地はあるといえるでしょう。

初心者からでも仮想通貨は始められる!まずは少額からスタート

仮想通貨=多額の投資が必要といったイメージを抱いていた方も、少額からスタートできることを知り、不安がかなり減ったのではないでしょうか。誰でも最初は超初心者です。ひとつずつ段階を踏んで、理解を深めた上で始めることをおすすめします。

文・柚月朋子

フリーランスとしての経験やポイント投資からスタートした経験を活かし、年間200本以上の記事を執筆・監修。投資初心者にわかりやすい記事執筆が目標。