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初心者なら少額投資を始めるべき理由!低リスクで始められる資産運用を解説

投資に興味はあるものの「少額からでも投資は始められる?」「少額投資なんて意味ない?」などの疑問を抱いたままでは、始めにくいもの。結論から言うと、投資初心者こそ、少額投資から始めることをおすすめします。なぜ少額投資がおすすめなのか、具体的な進め方とともに解説します!

初心者に少額投資がおすすめの理由

もし「投資=大金が必要」のイメージを抱いているなら、すぐに捨てちゃってください。全ての証券会社ではないものの、一部のネット証券では毎月100円からのつみたて投資が可能です。これなら負担なく、気軽に始められますよね。

また、投資には元本保証はないものの、少額でスタートした場合、損失も最小限に抑えることが可能です。いきなり自分の大切な資産を全部失ってしまうようなことは避けたいですよね。

また、投資に関しては本やサイトで学ぶことも重要ですが、自分で経験を積み判断力を鍛えることも大切です。そのためには、少額投資から始め、投資の専門用語やマーケットの動向を少しずつ学ぶことは大いに役にたつことでしょう。

これだけはNG!少額投資の注意点

少額投資は、始めるハードルが低くリスクも低いですが、だからといって何も考えず始めるべきではありません。少額投資に興味を持った方向けに、ポイントをまとめました。

長期運用を視野に入れる必要がある

少額投資は「長期運用」が基本です。少額で、短期に利益を増やすことは難しいと考えておきましょう。そのためには、毎月一定額を積み立てていく「積立投資」がおすすめ。

通常であれば、投資で得た利益には20.315%の税金がかかってしまいますが、2018年1月、金融庁が開始した「少額投資非課税制度」の「つみたてNISA」を使うことで、一定期間、非課税での運用ができます。

つみたてNISAのポイント

  • 年間40万円、最長20年間“非課税”で運用
  • 商品は、金融庁に届け出のあった投資信託等のみで安心
  • 一定金額の買付を行うため投資タイミングに悩まない

元本割れリスクがある

「少額投資=安心」のイメージが強い人も多いでしょう。しかし、金融資産の投資である以上、元本割れリスクはゼロではありません。ただ、1円も元手を減らしたくない!という考え方であれば、そもそも少額かどうかは別として投資自体に向いていないとも言えます。

手数料が割高になる可能性がある

少額かつさまざまな金融商品に投資をする場合、取引手数料が割高になる可能性があります。分散投資はリスクを減らす意味でも重要ですが、取引手数料が利益を上回るようになってしまっては、意味がありません。

ただし投資の種類によって、手数料の内容や額は異なります。つみたて投資信託のように、購入手数料が不要な方法を選ぶことで、コストを押さえるのもひとつの方法です。

自分に合った投資先を選ぶ方法

少額投資の注意点を確認したところで、次は実際に投資先を選ぶためのポイントについて順を追って解説します。ポイントとなるのは、次の3点です。

  1. リスクとリターン
  2. 投資の目的
  3. 投資のスタート時期

1:リスクとリターンを考える

投資の世界においては、「リターン=資産運用を行うことによる成果」を意味します。成果ですから、収益が出ることもあれば、損失が出る可能性もあります。「リスク」も、一般的には「危険」の意味がありますが、投資の世界では「リスク=収益・損失の振れ幅」を意味します。

基本的には、リスクが大きくなればリターンも大きくなる(ハイリスク・ハイリターン)、リスクが小さければリターンも小さくなる(ローリスク・ローリターン)ことを理解しておきましょう。ローリスク・ハイリターンの商品は存在しません!

リスクの種類内容
価格変動・金融商品は常に値動きする
・変動の大きさにより利益が出るケースもあれば、損失につながるケースもある
為替変動・外貨建ての金融商品の場合、円高による損失のケースがある
信用リスク・株式の場合、投資した会社が将来存続しているか、破綻しているか
・債券の場合、発行元の経営状況悪化などにより、価値が下落。予定通りの利子の支払いや払い戻しが行われないケース
システムリスク・情報システムのダウンによる取引停止
・情報流出
カントリーリスク・投資対象の国、地域の経済状況の悪化、紛争により、価値が下落
・新興国の国債はデフォルトになる可能性も

金融商品によってリスクとリターンの大きさは異なります。下の表は、リスク・リターンの大きさを示したものです。

預貯金債券
・個人向け国債
・社債など
投資信託株式先物取引
仮想通貨

※全ての金融商品があてはまるわけではなく、一般的なイメージです。

ここで重要となるのは、自分のリスク許容度です。資産運用を始める場合も、個々の生活状況は異なります。具体的に「いくらまでなら資産損失に耐えられるのか」を考えた上で、投資先を選ぶようにしましょう。

2:目的から方法を選ぶ

資産運用の目的は「資産を増やすこと」だと答える人が多いかもしれません。ただ、漠然と増やしたいと始めるのはおすすめできません。

例えば、次の目的で投資を始める場合を例に挙げてみます。

  • 老後資金
  • 教育資金
  • 住宅ローンの頭金

それぞれ必要な時期、必要な金額は異なります。併せて、今の自分の年齢を考えましょう。自然と次の2つのポイントが見えてくるはずです。

  • 必要な資産
  • 資産形成までにかかる時間

資産運用には、万人にあてはまるおすすめプランは存在しません。だからこそ、上記を参考に、自らの目標と現状から、どのプランを選ぶべきかを検討することをおすすめします。

3:始める時期を考える

資産運用を始めようとする人が、最も悩むのが「いつから始めるか」です。「まとまったお金ができてから」「価格が下がってから」という意見も多いですが、あまり良い方法とは言えません。

価格が下がってから(上がる直前)に買うのは理想ですが、いつ下がるか・上がるかは誰にもわかりません。余剰資金がゼロの状態で、無理に投資を始める必要は全くありませんが、余剰資金を貯めている間にタイミングを逃すことも考えられます。これを機会損失と言います。

投資を始めるなら、少しでも早いほうが良いでしょう。また、預貯金は預貯金で行いつつ、月々数千円を投資に回す方法もあります。損失に耐えられる金額を設定した上で、少額投資を始めることをおすすめします。

投資初心者におすすめの方法

ここからは、具体的に初心者が始めやすい少額投資について解説します。

投資信託

投資信託とは、投資のプロ(ファンドマネージャー)に資産運用を任せる方法です。

【メリット】

  • 少額で始められる
  • 選択肢が豊富
  • 分散投資ができる=リスク分散
  • 銘柄選択をプロに任せられる

注意点】

投資のプロとはいえ、必ず利益が出るわけではありません。また投資信託の種類によって、手数料(購入時・売却時など)が発生します。

【リスクを減らすポイント】

価格変動リスクに対応するためには、購入のタイミングと銘柄を分散させることが重要です。一度に買わず、タイミングをずらすこと。一定の分野ではなく、投資銘柄を分散させることでリスク軽減につながります。

つみたてNISA

2018年からスタートした少額投資非課税制度の「つみたてNISA」。毎年上限40万円の投資信託の購入が可能、かつ20年間の期間内は利益が全額非課税となります。

メリット】

  • 手数料が低め
  • 期間内(20年間)は投資で得た利益が非課税
  • 対象商品は金融庁が設けた基準をクリアしたファンドのみ

【注意点】

NISA口座の金融商品が値下がりした場合でも、他の口座の金融商品の利益(売却、配当金など)と相殺(損益通算)することはできません。つみたてNISAの非課税期間、20年間終了後は、他の課税口座に払い出されます。

【リスクを減らすポイント】

つみたてNISAで選べるのは、融庁が設けた基準をクリアした投資信託・ETFのみのため、初心者にとっては、導入部分からリスクが軽減されているといえます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCo(イデコ)は、老後資金を自分で積み立てる方法です。基本的に雇用形態を問わないため、フリーランス、個人事業主、アルバイト、パート、非正規社員、専業主婦などの方も加入できます。

メリット】

  • 掛け金が全額所得控除できる(節税)
  • 運用益は非課税で再投資される
  • 受給時に所得控除を受けられる

【注意点】

iDeCoは、原則、60歳になるまで引き出すことができません。さらに運用には、国民年金基金連合会、事務委託先金融機関などの手数料が発生します。課税所得のない人は、所得控除ができない点、本人の所得以外からの所得控除はできない点にも注意が必要です。

【リスクを減らすポイント】

iDeCOのリスクは、途中で資金が必要となった場合にも、引き出しができない点です。あらかじめ計画を立て、無理のない金額での運用を行いましょう。

投資初心者におすすめ!手数料が安い証券会社

「どの証券会社を選べばいいか?」とお悩みの方向けに、手数料が安い投資初心者向けの証券会社を紹介します。

SBI証券

取扱商品数が多く、「投資額10万円以下」での検索が可能など、少額取引にピッタリのSBI証券。つみたてNISAの投資信託、174本(2021/12/22時点)と、つみたてNISAを関東中の方にもおすすめです。

また、少額取引で気になる手数料に関してもかなり安めです。

現物取引(スタンダードプラン)の手数料

約定代金 
5万円まで55円
10万円99円
20万円まで115円
50万円まで275円
100万円まで535円
150万円まで640円
3,000万円まで1,013円
3,000万円超1,070円

手数料が安いです。銘柄選びもオススメ度など星の数でわかりやすく見られるので、初心者にも選定しやすい。スマホ1つで月々の積み立て額の変更や銘柄変更なども簡単にできるため、小額から気軽に始めてみるのも良いかと思います。

大手モール証券会社であり、手数料も安く国内外問わず、取り扱い銘柄も多い。クレジットカードでの投資還元もよい。パソコンサイト、アプリ共に使いやすい点も高評価。「My資産」から、日々の変動や自分の現在の資産を視覚的に楽しく確認できる。

楽天証券

特に楽天経済圏を活用している人におすすめなのが「楽天証券」です。楽天カードでの投信積立の場合、決済額100円につき1ポイントが付与されることに加え、手数料が低水準であることもポイントです。

公式サイトには「新規口座開設数4年連続No.1」「NISA口座開設数3年連続No.1」などの文字が並び、投資初心者から人気を集めていることがわかります。

超割コース(1回の取引金額で手数料が決定)

約定代金 
5万円まで55円
10万円99円
20万円まで115円
50万円まで275円
100万円まで535円
150万円まで640円
3,000万円まで1,013円
3,000万円超1,070円

商品が豊富でライフスタイルに合わせて選べます。毎月、33,333円積立NISAをしています。カード引き落としで支払うと、ポイントが貯められる上、ポイントは支払いにも充てられます。お得度が高いです。

楽天ユーザーなら、口座開設の際の個人情報入力などの手間が省けます。毎月貯まる楽天ポイントを自動的に振替できる。「身銭を切って投資する」という感じではないのため、お試し感覚、あまり損をしたくないという人には良いと思いました。

【まとめ】投資初心者は少額投資から始めよう

「投資は怖い」と思いつつ「少額投資には意味がない」なんて思っていませんか?実は私もそうでした。投資にもさまざまな種類があり、現物取引の場合、貯金を持ち出すようなことにはなりません。また、少額投資に関しても、短期で利益を出すことは難しくても、長期の視点で捉えることで、ライフスタイルに合わせた資金を貯めることは難しいことではありません。

やみくもに投資を怖がるのではなく、1,000円、10,000円といった単位から始めてみてはいかがでしょうか。

文・柚月朋子

フリーランスとしての経験やポイント投資からスタートした経験を活かし、年間200本以上の記事を執筆・監修。投資初心者にわかりやすい記事執筆が目標。