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本当にいまさら聞けない モバイルレジってなに? 軽自動車税を払ってみました

自動車税や軽自動車税の季節です。みなさんはもう納付されたでしょうか? 現金やスマートフォン決済アプリなど、自治体によっていくつかの支払い方法があります。今回はモバイルレジで支払ってみました。

モバイルレジとは?

モバイルレジは株式会社NTTデータが提供しているペイジーサービスです。同社ホームページを見ると「請求書に印刷されたバーコードをスマートフォンのカメラで読み取り、ネットバンキング・クレジットカードでのお支払いや、口座引き落としによるお支払いのための口座振替申込ができるサービス」となっています。

サービス開始は2007年1月、本格展開は同年4月ということから、かなり古くからあるサービスです。当初は利用キャリアはNTTドコモのみでしたが、2007年10月からはauやソフトバンクにも拡大。2011年からはスマホにも対応、クレジットカード払いも可能となりました。

恥ずかしながら筆者は、2024年の今日までモバイルレジの存在を知りませんでした。スマホユーザーとしてはけっこう古く、PayPayなども最初の「100億円あげちゃうキャンペーン」でおいしい思いをした(PC買ったら10万円バックされた)というのに、この至極便利なアプリとはこれまでかすりもせずに生きてきました。

なぜでしょう?

答えはひとつ、使う機会がなかったからです。

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軽自動車税をモバイルレジで支払う

スマホ対応が始まってから11年目、これまでモバイルレジとは無縁だった自分にも、とうとうそれを体験する瞬間がやってきました。

きっかけは、家の前を通る郵便配達のバイクの音でした。我が家に郵便が届くのは、毎日、だいたい午前中の10時半から11時半の間です。「ブブーン」とエンジンの音がして、「キッ」とブレーキが鳴り、「ガチャン」という音がすればポストに何かが投函された証。「ブブーン」だけなら素通りで、その日はなにも郵便物がありません。

この日は、素通りではなく「ガチャン」というポストの蓋が閉まる音が響きました。

「なんか届いたな」とポストを覗くと、世田谷区から送られてきた軽自動車税の納付書が入った封筒を見つけました。筆者の在住地は横浜市ですが、世田谷区内の実家に置いてある車両の自動車税を自分が負担しているため、毎年、納付書が横浜の自宅に届くようになっているのです。

税額は3600円。この種のものはさっさと払って忘れたいタイプの自分は、すぐに近所のコンビニに支払いに行こうと思い、財布を開きました。

が、あいにく現金が足りません。

コンビニのATMで下ろそうかと考えたものの、手数料の110円だか220円だかがもったいなくてやめました。手数料のかからない銀行のATMは歩いて10分。わざわざそこまで行くのも時間がもったいない。あとに回そうかとあきらめて封筒の中身を点検してみると「キャッシュレス決済のご案内」という紙が同封されていました。

そこにはこう書いてありました。

株式会社NTTデータが提供する「モバイルレジ」を利用するとスマートフォン等で納付できます。詳しいご利用方法は、NTTデータ・モバイルレジサイト(右二次元コード)をご覧ください。

え、スマホで払えるの?

本当にいまさらですが、筆者はこのときはじめてモバイルレジというものを知りました。これを使えばスマホからネットバンキングやクレジットカードで納付ができるというのです。

さっそくQRコードを読み取ってアプリをダウンロードしてみました。

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モバイルレジアプリであっけなく納付終了!

アプリがダウンロードされると、あとは超簡単!

納付書のバーコードをスマホのカメラで読みとって、名前やメールアドレス、クレジットカードの番号やセキュリティコード、カードの有効期限などを入力するだけで、あっという間に納付が完了しました。

かかったお金は軽自動車税3600円に手数料27円を足して3627円。

手数料はしっかりとられましたが、コンビニATMで110円をとられるよりはずっとましです。しかもかかった時間はアプリをダウンロードする時間を含めても3分ほど。領収書が発行されないかわりにメールに「お支払い手続き完了のご案内」が届くので手元に記録や証拠は残ります。

「こんな便利なものがあったとは……」

いままでの人生、なんというもったいないことをしたものか。天を仰ぐ自分がいました。

興味を持って調べてみたところ、自分がモバイルレジを知らなかった理由がなんとなくわかってきました。

モバイルレジのポータルサイトを見ると「お支払い可能な請求書」の一覧があります。都道府県別、区市町村別に分けられた表は、どこの自治体で何に対して利用可能かが一目でわかります。

2024年5月現在で見ると、例えば、北海道は札幌市のみ利用可能で、支払えるのはネットバンキングでの地方税のみとなっています。これが秋田県の場合は、県全体で自動車税がモバイルレジを通してクレジットカードやネットバンキングで払えるようになっています。ただし他の税金などは払えません。

東京都はどうかというと、23区内であれば自動車税種別割、固定資産税・都市計画税、固定資産税(償却資産)、個人事業税、不動産取得税などがクレジットカード、ネットバンキングの両方で支払い可能。23区の各区では軽自動車税、特別区民税、都民税、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料などが払えますが、区によっては払えなかったりするものもあります。

その他の府県もだいたい一緒。市町村によっていろいろなものが払えたり、逆に払えるものが限られていたりとまちまちです。なかにはモバイルレジを導入していない市町村もあります。筆者の暮らす横浜市などはまさにそう。どうりで知らなかったわけです。不動産調査会社のアンケートで「住みたい街ランキング1位」などに選ばれる横浜市だというのに、いったいどうしたことでしょう。

使ってみた実感としてはとても便利なシステムなので、できれば全国一律で利用できるようにしてほしいもの。各市町村のDX担当者には頑張って導入を検討していただきたいものです。

モバイルレジについて詳しく知りたい人はこちら(PC版)

スマホ版はこちら

文・中野渡淳一

文筆業者。著書に『怪しいガイドブック~トラベルライター世界あちこち沈没記』『漫画家誕生 169人の漫画道』。この他「仲野ワタリ」名義で『海の上の美容室』「猫の神さま」シリーズ等小説作品多数。『moneyscience』では生活者目線及び最新トレンドの記事を中心に執筆。