日本の芸能人や有名人はもとより、世界中のセレブや資産家に愛されているロレックス。高級時計の代名詞ともなっている腕時計は資産価値抜群、投資の対象としても魅力的です。数あるロレックスのなかでどれを選べばいいのか。初心者向けに紹介します。
21性世紀のいまも愛されるロレックス
ロレックスの創業は1905年。当時、まだ20代の青年であった創業者のハンス・ウィルスドルフがロンドンに時計の製造販売会社であるウィルスドルフ&デイビス社を設立したのが始まりでした。当時の時計といえば懐中時計が主流でしたが、同社では腕時計の将来性を見越して精度の高い腕時計の開発に取り組みました。
その後、ウィルスドルフ&デイビス社は精密機器会社の多いスイスに移転。1908年に「ロレックス」ブランドを立ち上げ、1915年には社名をロレックス・ウォッチカンパニーに変更します。
同社では世界初となる防水機能や自動巻き機能、カレンダー機能などを搭載した腕時計を次々と開発。ロレックスブランドの腕時計は優れた精度、耐久性、信頼性、洗練されたデザインなどで人気を博し、ファンを増やしていきました。その人気は創業から1世紀以上が経ったいまも衰えを知らず、世界中の人々に愛されています。
有名人がこぞって愛用するロレックス
ロレックスといえば、頭に浮かぶのは有名人です。
海外では英国のヘンリー王子(エクスプローラーⅡを愛用)やブラッド・ピッド、ジャスティン・ビーバー、デビッド・ベッカム、クリスティアーノ・ロナウド、パリス・ヒルトン、ジェシカ・シンプソンなど、ロイヤルファミリーからハリウッドスター、スポーツ選手、実業家、アーティストまで多くのセレブがこぞって愛用しています。
日本でも木村拓哉、長瀬智也、TAKAHIRO(EXILE)、宇多田ヒカル、渡辺直美、板野友美など有名タレントの多くがロレックスを使っています。テレビをつけたら誰かが必ずつけている、ロレックスを見ない日はないといった感じです。
ロレックスは、現在、市場に出回っているものだけでも数百種。ロングセラーモデルから絶版品まで含めると正確な数を把握するのが難しいのが実情です。値段は中古の安いもので30万円、100万円以上はざら、高いものだと数百万円。海外ではポール・ニューマンが所有していたものが20億円という値で取り引きされた例もあります。
知れば知るほど奥が深いロレックス。ここでは基本的な知識を身に付けたいと思います。
定番品から最高級品まで。ロレックスのラインナップ
ロレックスは大別すると、スポーツウォッチ、ドレスウォッチの2つに分かれます。
スポーツウォッチは名称通り、スポーツシーンでの利用を想定したもの。実用性や耐久性が非常に高く、「プロフェッショナルウォッチ」とも呼ばれています。
ドレスウォッチは、これも名前の通り、フォーマルな場所やパーティーなどで使うことをイメージして作られています。おしゃれなものが多く、色やデザインも多彩。別名は「クラシックウォッチ」です。
2つのうち注目度が高いのはスポーツウォッチ。なかでも以下のモデルは人気です。
- サブマリーナ
ロレックス自慢の防水機能(水深300mまで対応)を備えたダイバーズウォッチ。日常使いの一品として人気がある。購入価格90万円~ - エクスプローラー
もともとは探検家(エクスプローラー)向けに開発されたモデル。実用性重視の機能とデザイン、シンプルなデザインで万能腕時計として人気がある。購入価格80万円~ - コスモグラフデイトナ
自動車の24時間耐久レースの舞台である「デイトナ」の名を冠したクロノグラフ機能搭載モデル。スポーツウォッチのなかでも最高峰機種として人気がある。ロレックスと聞くとこの時計を思い浮かべる人も多いはず。購入価格160万円~ - GMTマスター
ツートンカラーが特徴的で、ちょっと変わったロレックスが持ちたい人たちに人気。パイロット向けに開発されたこともあり、同時に2箇所の時刻を確認することができる。購入価格110万円~ - ヨットマスター
ヨットをはじめ、マリンスポーツで活躍する機種。文字盤が白いモデルなどもあり、普段使いでもおしゃれな雰囲気を演出してくれる。購入価格140万円~ - シードゥエラー
サブマリーナの約4倍、水深1,220mまでの防水機能を誇るダイバーズウォッチ。スポーツウォッチの定番&高級モデルのひとつとして高い人気を誇る。購入価格140万円~ - エアキング
見やすくシンプルなデザインが魅力。価格が比較的安定しているため、ロレックスの入門モデルとして紹介されることが多い。現行モデル中、いちばん歴史のあるペットネームを持つことでも知られている。購入価格80万円~ - ミルガウス
磁気に強い対磁時計として、医師や研究者、技術者などに向けて開発されたモデル。1987年にいったん生産が中心されたものの2007年に生産再開。インテリジェンスな雰囲気は他のスポーツウォッチにないもので、そこに惚れ込むファンも多い。購入価格100万円~
いっぽうのドレスウォッチで人気が高いのが以下のモデルです。
- デイトジャスト
男性向けだけでなく女性向けもあり、バリエーションが多彩。見るからにエレガントでラグジュアリーなデザインで世界中に愛用者がいる。購入価格80万円~ - デイデイト
ロレックスのなかでも最高級品。1956年の発売以来、資産家やセレブに愛されてきた。ファンの間では「成功者が身につける」モデルとして知られていいる。購入価格400万円~ - チェリーニ
イタリア・ルネサンス期に活躍した芸術家ベンベヌト・チェリーニの名を用いたモデル。芸術性溢れるエレガントなデザインが魅力的。購入価格300万円~ - オイスターパーペチュアル
ドレスウォッチの入門モデルとしておすすめの機種。基本的なスペックは他モデルと変わらないが価格がリーズナブルに設定にされていて、若い人も購入しやすい。購入価格50万円~
※上記の購入価格は新品最安値の目安です。同じペットネームのモデルでも稀少性の高い機種は数倍の値がつくことも珍しくありません。また価格は常に変動していて、販売店や為替相場、市場の動向によって大きく差が生じます。
投資の対象にもなるロレックス
ロレックスの魅力のひとつは資産価値が高いところ。そのためか「ロレックス投資」という言葉もあるくらいです。富裕層やコレクターの間では現物投資のひとつとしてロレックスを購入している人もいます。
もちろん、初心者がいきなり手を出して大きな利益を手にすることができるかというと、そんなに甘いものではありません。ただ、腕時計という身近なものだけに、同じ現物投資で人気のクラシックカーやアンティークコインなどよりは敷居が低いかもしれません。
当然のことながら、初心者におすすめなのは「勉強」です。
人気のロレックスといっても、機種によって価格はさまざま。もし将来の売却を考えて買うなら、後々価格上昇が見込めるモデルを購入すべきです。
いちばんいいのは「体験」すること。もし親や兄弟など、自分の身近でロレックスを持っている人がいたら、その人がいつ、いくらで買ったか聞いてみましょう。そしてそのモデルが現在中古市場でいくらで取り引きされているかを調べてみましょう。こうしたことを繰り返しているうちになんとなく相場観がつかめてくるはずです。
ロレックス、持つならどれ?
とりあえずひとつ持ってみたい。そんなロレックス初心者におすすめなのが100万円以下で購入できて、なおかつ価値の下りにくい定番モデルです。
たとえば、スポーツウォッチのエクスプローラー。使い勝手がよく、価格もお手頃。中古なら50万円程度から手に入ります。ドレスウォッチならデイトジャスト。こちらも100万円以下で買うことができます。
もう少し予算があるならサブマリーナやGMTマスター、さらに高みを目指したい人はデイトナ。こんなふうにロレックスはその人のいまいるステージに合わせて機種が揃っているところも魅力です。
自分のために購入してもいいし、プレゼントとしても喜ばれるロレックス。ギラギラしたイメージもありますが、いまどきはさりげなくつけるのがカッコいいかも。
人生の記念にひとつ持っていいかもしれませんね。
文・中野渡淳一
文筆業者。著書に『怪しいガイドブック~トラベルライター世界あちこち沈没記』『漫画家誕生 169人の漫画道』。この他「仲野ワタリ」名義で『海の上の美容室』「猫の神さま」シリーズ等小説作品多数。『moneycat』では生活者目線で最新トレンドの記事を中心に執筆。