資産運用

投資初心者がやりがちな失敗例とは?NGな投資方法を5つご紹介

投資を始めるとき、億り人ならずとも儲かる自分を思い描くのではないでしょうか?成功した自分を夢見ると同時に成功した方には学ぶべき点も多いものです。

しかし、現実を知っておくためにもまずは失敗例も覚えておきましょう。あらかじめ失敗例を知っておくことで、同じ失敗を防ぐことができます。

また、成功するにあたり、自分の性格や予算に応じた投資方法を選ぶことも必須です。本記事では、投資初心者がやりがちな失敗例や自分に合った投資方法について解説します。

投資初心者がやりがちなNG投資法5つ

投資を始める以上、誰もが成功したいと思うもの。しかし「失敗したくない」との気持ちが強すぎるあまり、失敗してしまうケースがあることをご存知でしょうか。

まずは初心者がやりがちな失敗例を紹介します。

NG投資1:日本株だけにこだわる

日常の買い物であれば「国産」「日本製」等にこだわることは、全く問題ありません。しかし、投資に関してはまた別です。

もちろん、日本株に投資するメリットも存在します。

  • 企業の情報収集がしやすい
  • 為替リスクがない
  • 上場株式の場合、リアルタイムでの投資が可能

これらは、外国株式にはない日本株ならではの強みです。ただ、基本的に株式投資では“成長分野”“成長企業”に投資することが良しとされています。この観点から考えると、日本株にだけこだわることは、あまり好ましくありません。

「日本の企業を応援したい」「株式優待のメリットを感じたい」など、自分なりのこだわりや目的がある場合は別ですが、資産運用をメインに考える場合は、「日本株だけ!」といったこだわりを手放し、投資対象を考えることをおすすめします。

NG投資2:手数料を気にしない

例えば、投資初心者にもおすすめの投資信託。購入時に販売手数料が発生することは、イメージしやすいかもしれませんが、実際には運用期間中にもコストがかかります。

次の表をご覧ください。

発生のタイミング手数料名
投資信託購入時販売手数料(※)
運用期間中運用管理費用(信託報酬)
換金(解約)時信託財産留保額

※販売手数料が発生しない投資信託を取り扱っている販売会社もあります。

全ての銀行、証券会社ではないものの、解約時に手数料が発生するケースもあります。手数料に関しては、大々的に書かれていないケースも少なくありません。しかし、投資で成功したいのであれば、手数料について調べておくことが大切です。

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NG投資3:投資のタイミングを狙いすぎる

安いときに買い、高いときに売る。これは投資の基本ですが、安くなる時期を投資初心者が完全に見極めることは、正直不可能です。投資のプロ、専門家であっても、100%の確率で読みが当たるとは言い切れません。タイミングを考えすぎて動き出せないのは、大きな失敗と言えるでしょう。

ここで初心者にもおすすめの方法が「分散投資」です。購入のタイミングと購入金額を分散する「時間分散」を行うことで、タイミングをはかる必要がなくなります。

投資資金を一度に使うのではなく、毎月決まった金額のみ投資に使います。下がったときはたくさん買う、上がったときは少なく買うイメージです。このように、同じ商品を決まった金額だけ買い続けることで、値動きをチェックする必要もなく、価格に一喜一憂することもなくなります。

NG投資4:ハイリスクな投資を求める

株式投資や投資信託は、基本的に預貯金のような元本保証がありません。金融商品の値動きにより、プラスになることもあればマイナスになることもあります。

「どうせ元本保証がないのだから」と、ハイリスク・ハイリターンの金融商品を求める人もいますが、やみくもに始めることはおすすめしません。そもそも、資産運用における「リスク」は、得られる利益の振り幅の大きさを意味する言葉です。

300万円が1000万円になるかもしれない、ただし0円になるかもしれないといったケースです。また「ローリスク・ハイリターン」の金融商品は、ゼロとは言いませんが、ほぼないと思っておいた方が確実です。投資詐欺などにあうリスクが高くなります。

大きな損失を生むケースとしては、株式の信用取引やFX取引など、レバレッジ取引が挙げられます。また仮想通貨(暗号資産)も、ハイリスクな商品と言えるでしょう。

リスクが低く、初心者におすすめされている投資信託も、リスクがゼロではない点に注意が必要です。新興国の株式のようなハイリスク・ハイリターンの商品は、国の情勢により、変動が激しくなることを理解しておきましょう。

NG投資5:少額の短期投資で結果を求める

初心者は少額投資から始めるべきといった言葉があるものの、これはあくまで「長期投資」を目的とした言葉です。

短期投資の場合、重要となるのが売買タイミングです。また分散投資が難しいため、成長銘柄を当てることが必要となります。長期投資の場合、業績や世の中の経済状況など、さまざまな要因から判断することができるものの、短期の場合は自分で判断する要素が増えます。

投資経験の乏しい初心者にとっては、荷が重い決断だと言えるでしょう。また、資金が少ないことにより「希望する株が購入できない」「資金を失うことを恐れ、損切りができない」といったデメリットもあります。

自分にぴったりの投資方法を見つけるポイント

初心者が陥りがちな失敗を学んだところで、次は、自分に合った投資方法を見つける方法について解説します。

おすすめの方法は「インデックス投資」と「個別株投資」を並行してみること。投資の世界で言う「インデックス」には、株式市場など全体的な値動きを表す指標のことです。初心者の方も「日経平均株価」「東証株価指数(TOPIX)」や、「NYダウ」といった言葉は、耳にしたことがあるかと思います。

これらが代表的なインデックスであり、値動きに連動した投資方法を「インデックス投資」といいます。

メリットデメリット
・インデックスと同じ値動きのため、わかりやすい
・分散投資ができる
・少額からの取引が可能 ・運用コストが低め
・インデックス以上のリターンは望めない
・短期投資には不向き
・元本割れリスクがある

iDeCoやNISAのように、資産運用と節税を同時に進める方法であれば、最初のハードルも下がるでしょう。

同時に、自分が気になる個別株に関しても投資をスタートし、1年後の結果で、どちらの方法に重きを置くか判断するのもひとつの方法です。

投資スタイルの向き・不向きは、性格によるところも大きいもの。フットワークが軽く、新しいことに次々チャレンジする人と、できるだけ堅実で安全な道を進みたい人とでは、合う投資スタイルも異なります。

証券会社によっては、サイト内で「YES・NO」の質問に答えるだけで、自分の投資スタイルの診断を受けることもできるため、参考程度に試してみるのもおすすめです。

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「長期投資」のメリットとデメリット

初心者の成功の秘訣は「長期投資」と言われることが多いです。長期投資とは、一度保有した金融商品をそのまま持ち続ける方法のこと。一方、短期投資では、短期間に売買を繰り返すことで利益を出すことが求められます。

ここでは長期投資のメリット、デメリットについて解説します。

長期投資のメリット

長期投資のメリットは、日々の値動きに一喜一憂する必要がないという点です。毎月一定額を購入する投資方法であれば、値下がりしているときも買い増しのチャンスと捉えることができます。

また、長期投資の場合は「複利」の考え方が生きてきます。複利とは、運用によって得た利益や利息を使い、さらに投資することで、利息が利息を呼ぶことをいいます。投資信託の場合、運用金を再分配するもの(複利効果が期待できる)と、再分配しないもの(複利効果が期待できない)があるため、あらかじめ確認しておきましょう。

この複利のメリットは、長期運用した場合に限ります。また、投資信託の場合は、元本保証はありません。必ず複利効果が得られるわけではない点に注意してください。

長期投資のデメリット

長期投資のデメリットは、その名の通り、長期的に保有しなければいけない点です。例えば、投資信託購入後、もし一気に値上がりしたとしても、そのまま保有し続けることがセオリーです。売却すれば利益が確定するにもかかわらず、保有する。このことに不満や不安を感じる人にとっては、デメリットと言えるでしょう。

また、投資信託の場合、運用中は「運用管理費用(信託報酬)」が発生します。銀行や証券会社によってかかるコストは変わりますが、最初の選び方で失敗してしまうと、多額のコストが発生することになります。

初心者が成功するためには先人の失敗から学ぶこと

リスクゼロ、ローリスク・ハイリターンの投資は存在しません。しかし、先人の失敗例から学び、「分散投資」を心がけることで、自分が求める結果に近づくことは可能です。本記事を参考に、投資の成功者を目指してみてください。

文・柚月朋子

フリーランスとしての経験やポイント投資からスタートした経験を活かし、年間200本以上の記事を執筆・監修。投資初心者にわかりやすい記事執筆が目標。