「株に興味がある」「投資を始めたいが、知識がなくて不安だ」と、一歩踏み出すことをためらっていませんか。実際に投資をするかどうかの前に、まずは勉強し知識を蓄えることが重要です。本記事では、目的別の投資勉強本について解説しています。
自分に合った本を選ぶためにお役立てください。
株初心者向けの勉強本
1位:世界一やさしい株の教科書1年生
「5秒で選び、5分で取引、5銘柄だけ保有」の考え方を元に、投資の基本を解説している本です。投資や株に関する基本知識を得たい人向けです。同じ著者の本「世界一やさしい 株の練習帖1年生」を同時に購入し、併用しながら学ぶことでより実現性の高い力を身につけることができます。
自分に合った取引方法を見つけるまでの、基本的な一冊となることでしょう。
2位:はじめての人のための3000円投資生活
「多額の投資資金は手元にない。でも投資を始めたい。毎月3,000円なら捻出できそう」と考えている人向けの本です。実践可能な投資方法が記載されているため、具体的な知識とスキルを身につけることができるでしょう。
特別な裏技を期待して読むと、期待はずれと感じるかもしれません。ただ、「毎月、バランス型の投資信託積み立てる」という基本に忠実な内容だからこそ、誰もが実践できるはず。低予算でローリスクな投資方法がメインのため「投資は興味があるが、不安。怖い」と感じている人の意識も変えてくれるでしょう。
3位:【改訂新版】知らないと損する 池上彰のお金の学校
2019年10月に出版された新版。株投資をピックアップした内容というよりは、「お金」「金利」「投資」などの基本情報についてわかりやすく学べる内容。消費税増税、銀行、年金の未来など、身近な存在でありながら「なんとなく」しか理解していなかったことが、読了後はスッキリするはず。
第二章に記載されている「暗号資産(仮想通貨)」も一読の価値あり。実際に自分が投資するかどうかの前に、知識として知っておくべき内容が詰まっています。
4位:マンガでわかる最強の株入門
その名の通り「マンガ」で株の基本を勉強できる本です。堀江貴文氏推薦、ベストセラーとなっている「いちばんカンタン! 株の超入門書」の著者と漫画家・吉村佳氏の共同本。
株取引で「億り人」を目指す主人公に感情移入しながら、読み進めることができます。たかがマンガとあなどることなかれ。株式の基本的な知識から信用取引まで幅広く解説されているほか、マンガパート、文章パートと分かれているため、より詳しく学びたいときにも最適です。
5位:2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの 株トレ 世界一楽しい「一問一答」株の教科書
株で勝つためには「チャートを正しく読む」知識が必要です。ファンドマネージャー25年の著者が、自らの経験とスキルをもとに執筆。「チャートなんて全然わからない」という人も、クイズ形式で楽しく学ぶうちに自然と知識が身につくことでしょう。
既に投資を始めていたり、別の書籍やブログ、YouTubeなどで、知識を得ていたりする人にとっては「既に知っている」ことばかりになる可能性はありますが、本当に初心者にとってはおすすめの本です。株について学びたい中高生にもおすすめできます。
さらに儲けたい、「勝つ投資」がしたい人向けの勉強本
オートモードで月に18.5万円が入ってくる「高配当」株投資 ど素人サラリーマンが元手5万円スタートでできた!
日本株式の配当専門投資を行っている現役サラリーマンが執筆した本。高配当の株に投資し、保有するだけの簡単投資を解説。時間をかけ、長期投資でお金持ちを目指すノウハウが紹介されています。
具体的な体験談が多いのも特徴のひとつ。「18年投資をしてたどりついた「死ぬまで持ちたい銘柄17」や、「もしも私が今、ゼロから配当投資をスタートするなら」など、役に立つ解説が多数掲載されています。特に初心者投資家は、銘柄選びに迷い、チャンスを逃しがち。必ずや助けとなってくれることでしょう。
勝ってる投資家はみんな知っているチャート分析2
初心者を脱却し、ワンランク上の投資をしたい方向けの1冊。億単位の利益を出すトレーダーの方からの推薦を受けた1冊です。
初心者向きの勉強本で紹介した「2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの 株トレ 世界一楽しい「一問一答」株の教科書」でチャートを学んだ後に読むのがおすすめ。
マンガや図解を多用しているので、読みやすい点も高評価。チャート分析の用語やQ&Aなどもあり、不明点が出てきたとしても、自分で学び直しが可能です。
ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理
「個人投資家にはインデックスファンドへの投資が最適」と述べている本です。全世界で読まれている投資のバイブル本だけあり、高い人気を誇ります。本書では、さまざまな投資方法と比較し、インデックスファンドがいかに優れているかについて語られています。
「負けないための投資方法」を知ることは、初心者が儲けを出すために重要といえるでしょう。注意点としては、例え話がアメリカのこととして出てくるため、違和感を感じる可能性がある点、完全な初心者ではなく基本的な知識を得ている初心者でなければ理解が難しい点です。
ただ、現段階でよくわからない部分があったとしても、投資を継続する上では、役に立つシーンが出てくる可能性大。実際の読者からも、数年の投資歴を振り返りつつ読むと、失敗の理由がわかり納得できたとのコメントがありました。
投資初心者が勉強するときの注意点
投資初心者が勉強する際に、本を読み知識を増やすことは、必要な手順です。正しい知識を得ることで「投資=ギャンブル」といった誤った考え方がなくなり、根拠と確証を持って投資に取り組むことができるようになることでしょう。
ただし、ここで必ず覚えておいていただきたい注意点が3つあります。
- 本に記載されている内容を100%鵜呑みにしない
- メリットだけが書かれている本は信用しない
- 読んで終わりではなく、実践に進むこと
本に書かれている情報は、多くの場合著者の体験談や実際の投資方法です。ただ、自分にも当てはまる、今の相場でも使える方法であると考え、信じきってしまうのは危険です。メリットだけが書かれている本を信用しないという点も同じこと。知識を蓄え「こういう方法もあるのか」と知ることは重要ですが、経験の乏しい初心者の時点では、思い込みのまま突き進むのは危険です。
そして、最後の実践。投資に限ったことではありませんが、いくら知識だけが増えても、実践し、時には小さな失敗をして学んでいくものです。
立ち直れないような大ケガをしないためにも、次章では初心者の投資方法について解説しておきます。
初心者の株式投資!実践の前に準備したい3つのポイント
本を読んで勉強したら、次はいよいよ実践です。ただ、証券会社を選んだり、金融商品を探したりする前に、まだやるべきことが存在していますよ。
まずやるべきことは「投資環境の整理」です。当たり前すぎてつまらないと感じるかもしれませんが、何事も最初が大事。ポイントを絞って解説していきます。
1:投資資金の確認
現在の預貯金から、生活防衛費を引き、余裕資金を導き出します。余剰資金と呼ぶケースもあります
生活防衛費とは、長期入院、失業、倒産、リストラ、自然災害などの不測の事態に備えた生活資金のことです。今、突然収入がゼロになったら、どうでしょうか。貯金ゼロだから困る!という人は、投資の前に、生活防衛費をつくることをおすすめします。
目安は、少なくとも3ヵ月、個人事業主やフリーランスの場合は半年以上。忘れがちですが、必ず発生する出費(例:住宅ローン、自動車保険、車検代、子どもの学費、生命保険代など)も計算に含めておくとスムーズです。
なぜ生活防衛費を洗い出すのかといえば「投資に使ってはいけないお金」を知るためです。性格にもよるものの「投資に成功した→さらに多額のお金を投資に使う」「投資で損失が出た→損失を取り戻すため、さらに多額のお金を投資に使う」といったケースが考えられるためです。
そもそも、投資はギャンブルではなく、冷静な判断力が求められるものです。初心者が最初から冷静に判断すること自体、難しいものですが、だからこそ、絶対に投資に使ってはいけないお金について、投資を始める前に考えておくべきです。
2:投資の目的・目標の決定
次は、投資の目的・目標についてです。「なんとなく」で始めてもいいとの考え方もありますが、もし、目的があるならば具体的に洗い出しておきましょう。目的・目標により、適した投資方法が異なるためです。
まずは次の公式に当てはめ、運用期間を考えていきましょう。
(目標金額 - 今の手持ちの中で投資に回せるお金)÷ (これから毎月投資に回せるお金× 12)
ただし、ここで計算した運用期間とは、投資をした際に、利益も損失も生まなかった場合の期間です。
利益を求めて投資を始めるわけですから、違和感があるかもしれません。ただ、投資には元本保証はありません。本を読み勉強する中で、おそらく嫌というほど目にした言葉のはずです。ただ、いつしか忘れてしまうのが初心者の問題点です。
利益が出る前提で、資金計画を立ててしまえばどうなるでしょうか。当初の予想通り進まなかった場合に「住宅ローンの頭金にするはずが、資金が足りない」「目的(例:子どもの学費)に使用できず問題となった」などのトラブルが発生するでしょう。
しかし、利益が出ない前提で考えておくと、うまくいった場合は早期に予算を達成することが可能です。もし、想像よりも利益が少なかったとしても、軌道修正がしやすく、手元にはある程度の資金が残っているはずです。
何度も繰り返しますが、投資はギャンブルではありません。あまりに無謀な目標を立てないためにも、あらかじめ公式に当てはめた上で、現実的な数字を知ることが大事です。
3:少額投資で取引スタート
いよいよ、投資の実践です。ただ「儲けたい」「裏技を知りたい」と考えている方は、一旦その考えを改めていただくことをおすすめします。
なぜなら、初心者は必ず少額投資からスタートすべきだからです。そもそも、株式投資が初めての場合、取引そのものに不慣れなはずです。ネット証券が主流になった今、簡単に取引できるようになっているものの、操作ミスで損失を生んだとしても、誰かが責任をとってくれるわけではありません。
少額投資から始めて、操作に慣れ、取引の流れを理解するようにしましょう。少額とはいえ、本を読み、練習問題を解いていたときとは、異なるため、感覚に戸惑う人もいることでしょう。まずは慣れるしかありません。そのためにも少額の投資がおすすめです。
最初は現金よりポイントでスタートして感覚を掴みたいという人には、ポイント投資も検討の余地ありです。
本で投資を勉強中の初心者のよくある質問
Q.投資の簡単な本は?
A.本記事で紹介した初心者向けの勉強本5冊は、どれも簡単にわかりやすく解説してくれています。活字に慣れていない人なら、マンガでの勉強から始めるのもおすすめです。
Q.投資初心者の勉強の仕方は?一体何から勉強すればいい?
A.金融知識が身についていない場合は、投資の前に「【改訂新版】知らないと損する 池上彰のお金の学校」を読むのもいいでしょう。株式投資に特化するなら「世界一やさしい株の教科書1年生」もおすすめです。
Q.株の勉強の参考書は?
A.「世界一やさしい株の教科書1年生」「2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの 株トレ 世界一楽しい「一問一答」株の教科書」は、参考書としても役に立ちます。
まとめ:本で勉強し、少額投資で実践を!
投資初心者が勉強するための本は、現在に至るまで数多く出版されています。長年のベストセラーで投資の知識やメンタル面を学び、最新情報も上手に取り入れながら、勉強していくと良いでしょう。そして何より、少額投資からの実践。経験を積み重ねていくことが、目標達成への道筋だと考えてください。
文・柚月朋子
フリーランスとしての経験やポイント投資からスタートした経験を活かし、年間200本以上の記事を執筆・監修。投資初心者にわかりやすい記事執筆が目標。