クリスマスシーズンです。今年のクリスマスプレゼントは何にしようか、お悩みの方も多いのではないでしょうか。実際のところ贈って喜ばれるプレゼントとはどんなものなのでしょうか。
クリスマスプレゼント、おすすめは「使って喜ばれるもの」
ひとくちにクリスマスプレゼントといっても、相手によって贈るものは変わります。妻や夫、子供、父、母、兄弟姉妹、あるいは友人や恋人、職場の仲間や日頃お世話になっている人……誰に何を贈るか、普通は相手の顔を思い浮かべてプレゼントを購入するはずです。
では何を選ぶか、となると迷ってしまうことも多々あるはず。
子供のように「〇〇がほしい」と言ってくれれば「じゃあ、約束ね」とそれを買ってあげればいいけれど、相手が大人だったり、子供でも甥や姪などちょっと距離感がある相手の場合はプレゼント選びに迷ってしまうことも多いでしょう。
妻や夫など普段接しているパートナーだって、いざプレゼントを買うとなると何がいいのか迷います。プレゼントというのはサプライズ要素もあるので、相手を驚かせたいという気持ちがあるとなおさら難しいものです。
そんなときに頼りになるのはやっぱりネットの情報。どんなプレゼントが喜ばれるのか、いくつかのサイトを調べてみた結果、以下のような傾向が見えてきました。
(女性向けの喜ばれるクリスマスプレゼント)
- 花
- 化粧品
- アクセサリー・宝飾品
- バッグ
- 腕時計
- バス用品(入浴剤、石鹸など)
- 食器
(男性向けの喜ばれるクリスマスプレゼント)
- マフラー
- 手袋
- 革小物(財布など)
- 文具(万年筆、ボールペン)
- バッグ
- 腕時計
並べてみると、どれもプレゼントとしては鉄板です。贈ってまず間違いなし、といったところですが、そこにはちょっとした落とし穴があります。
ここに挙げたプレゼント、どれも全部、すでに相手が持っているものではないでしょうか?
今現在、相手はこれらのプレゼントを欲しがっているでしょうか?
確かに、アクササリーや腕時計、財布、バッグ、文房具、食器などはいくつか持っていてもいいかもしれません。ただ、実際に使うとなるとお気に入りの一品というケースが多いはずです。毎年、クリスマスや誕生日のたびにそうしたものをもらって、気がつくと新品のまま使わずにいるものが箪笥の引き出しにいくつも眠っているなどということにはならないでしょうか。
心を込めて贈ったはずのプレゼント。その場では喜んで受け取ってもらったけれど、たいして使われずに終わってしまう。これでは寂しいですね。
いちばん間違いがないのは、贈る相手が身近な人の場合はあらかじめ何が欲しいかを尋ねておくことです。サプライズ性は薄くなるかもしれませんが、結果として相手に喜んでもらえるはずです。
迷ったときにおすすめのギフト券
クリスマスプレゼントは年に一度しかないものですが、毎年やってくるものでもあります。高級品の腕時計やアクセサリーなどは、入学や卒業、就職、結婚といった、人生のここ一番というときのプレゼントにすれば十分です。毎年恒例のイベントであるクリスマスには、もう少し実用的で使って喜ばれるものを贈るのがおすすめです(もちろん、何を贈るのかは個人の考え方次第です)。
上記の中で使って喜ばれるプレゼントはというと、女性向けなら生け花やバス用品、男性向けだとマフラーや手袋など。この他におすすめなのはギフト券や日用品です。とくに選ぶ自由や使う自由があるギフト券はおすすめです。
ギフト券の定番といえば百貨店系の商品券や、三井住友VJAギフトカードやJCBギフトカードなど。これらのギフト券の魅力は汎用性が高いところです。もうひとつ、人気が高いのはAmazonギフト券。アマゾンでの買物に利用できるこのギフト券をもらって、嬉しくない人はいないでしょう。
この他、ギフト券には店舗やサービスに特化したものなどがあります。相手が旅行好きなら旅行券、外食好きならレストラン系のギフト券、テーマパークが好きな人ならディズニーリゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンのギフト券といったように、目的別に選ぶことが可能です。
クリスマスプレゼント、その起源は?
クリスマスプレゼントはサンタクロースがくれるもの。ではサンタクロースとは誰でしょう。そのモデルは3世紀から4世紀にかけてキリスト教の司教として活動していた聖ニコラウスです。聖(セント)はオランダ語で「サンタ」、ニコラウスは「クロース」。これがサンタクロースの語源です。
ニコラウスは、生前、貧しい人々に施しをしていました。その活動もあって、死後、聖人となりました。
キリスト教では彼の命日である毎年12月6日を「聖ニコラウスの祭日」と決め、いつしかその日にプレゼントを交わすという習慣ができました。16世紀にはこの祭日の行事がイエスの降誕祭であるクリスマスと同じ日に行われるようになり、今日のクリスマスプレゼントという文化が生まれたといいます。
他にもキリスト教には東方の三博士がイエスの誕生に際して、黄金や乳香、没薬を贈ったという伝説があり、これもクリスマスプレゼントの起源とされています。
ヨーロッパなどで風習となったクリスマスプレゼントは明治になって日本に入ってきます。最初のうちは救世軍による貧しい人々への施しという形でしたが、大正期以降は家庭に定着し、今日の大人がサンタクロース役となって子供にプレゼントを贈るという習慣ができました。
プレゼントというと、値札を取るなど、相手に自分がいくら使ったのか見せないのがマナーとなっています。今回おすすめしたギフト券にネックがあるとすれば、使った金額が可視化されてしまうところかもしれません。それってどうだろうと思ったときは、聖ニコラウスを思い出してください。
聖ニコラウスのサンタクロース伝承には有名なエピソードがあります。
小アジア(現在のトルコ)南西部のミラで司教を務めていた聖ニコラウスは、あるとき、結婚するのに持参金を用意できない貧しい家庭の娘に金貨を贈ったといいます。サンタクロースによるプレゼントは実は「お金」だったのです。
それを思えば、いまの時代にギフト券が人気のプレゼントとして定着しているのも不思議ではない気がしてきますね。
文・中野渡淳一
文筆業者。著書に『怪しいガイドブック~トラベルライター世界あちこち沈没記』『漫画家誕生 169人の漫画道』。この他「仲野ワタリ」名義で『海の上の美容室』「猫の神さま」シリーズ等小説作品多数。『moneyscience』では生活者目線で最新トレンドの記事を中心に執筆。