資産運用

【初心者必見】ネット証券での株式取引の始め方とメリット・デメリット

初めて投資をするにあたり、「ネット証券で投資を始めたいが方法がわからない」「口座開設の方法は?」「リスクやデメリットもあらかじめ知っておきたい」と考える人は多いものです。
初心者の方向けにネット証券の始め方をわかりやすく解説します。

ネット証券とは?メリット・デメリットを知ろう

ネット証券とは、インターネット上で株式取引の場を提供する証券会社のことを指す言葉です。正式名称は、インターネット証券会社です。オンライン証券ということもあります。

また、ネット証券という言葉には、実店舗を持たないネット専業の証券会社だけでなく、実店舗を持つ証券会社のオンライン取引を含むことが多いです。

ただし、今回の記事ではネット専業の証券会社を取り上げていますのでご注意ください。

それでは、早速メリット・デメリットから紹介します。

初心者がネット証券を利用する3つのメリット

専業投資家は、常にパソコンの前で取引を行う必要があります。そのため、他に仕事を持つ人にとっては、投資に対するハードルが高いとされていました。しかし、ネット証券の場合、ネットにつながる環境さえあれば、スキマ時間を活用して取引が可能です。個人投資家が増えてきた理由には、ネット証券の普及もひとつの理由といえます。

ネット証券利用のメリットは、次の3点です。

・店頭に比べて取引手数料が安い
・場所や時間を問わず取引ができる
・情報収集がしやすい

店頭に比べて取引手数料が安い

ネット証券の場合、店頭での取引に比べて「取引手数料」が安いです。取引手数料は、証券会社により異なるため、あらかじめ確認してください。手数料は、取引ごとに発生する「約定手数料」と取引量に関係なく一定量の手数料を支払う「定額制」から選ぶことができます。

ただし、ネット証券の初心者の方は、1日に大量の取引を行うケースが少ないと考えられます。取引ごとに手数料を支払うプランをおすすめします。

場所や時間を問わず取引ができる

ネット証券は、実店舗に行く必要がなく、全ての取引をインターネット上で行います。そのため、パソコンやスマホとインターネットへの接続環境があれば、時間や場所の制約なく取引が可能です。

自宅、外出先、移動中など自分のライフスタイルに合わせつつ、取引が可能です。

重要な経済情報が収集しやすい

株投資を行う上では、社会情勢や株価、世界経済に関するニュースなど、さまざまな情報収集をしておく必要があります。ただ、これまでの実店舗のみでの取引では、情報の収集方法も限定されていたため、一般の人が適切な情報を得るためには有料情報を購入したり、新聞を読んだりする必要がありました。

しかし、インターネットが普及しネット証券が一般的となった現在では、各証券会社が自社サイトに無料の情報を公開しています。社会経済やニュースだけでなく、チャート、株価、取引銘柄のランキングまで、発信されている情報が幅広いことも、ネット証券初心者にとっては安心できるメリットといえます。

初心者がネット証券を利用するデメリット

安価な手数料や情報収集のしやすさといったメリットがある一方、ネット証券ならではのデメリットがある点にも注意が必要です。

・銘柄選択から注文まで全て自分で行う
・セキュリティやトラブルのリスク

・担当者からのアドバイスがなく、銘柄選択から注文まで1人で行う

窓口での取引の場合、顧客1人に対し、1人の担当者がついてくれます。銘柄選定や注文等を相談しアドバイスを求めながら進めることができますが、ネット証券の場合自分で全てを決める必要があります。

今回はデメリットとして記載しましたが、「営業されたくない」「人と会わずに取引を行いたい」と考える人にとっては、デメリットにはなりません。

・セキュリティやインターネット回線などのトラブルのリスク

オンライン上で全てが完結するメリットがある一方、インターネット回線のトラブルやパソコン、スマホ本体のトラブルにより、的確なタイミングで取引ができない可能性も考えられます。

また、各ネット証券はそれぞれセキュリティを強化し、対策をとっているものの、情報漏洩リスクもゼロではありません。フィッシングサイトに誘導され、開いてしまったことにより、本来自分で管理すべきIDやパスワードが流出してしまう、アカウントが乗っ取られてしまうといったケースもあります。

初心者が株式投資を始める前に知っておきたいポイント

ネット証券で口座を開設する前に、あらかじめ押さえておきたいポイントについて紹介します。

正しい予算設定と少額の取引

いざ株式投資を始めるにあたり、最初に予算を決めましょう。初心者は、投資に熱くなりすぎて、本来使ってはいけないはずのお金まで使ってしまう可能性があるためです。もしも、失ってしまったとしても生活に支障のない金額から始めることをおすすめします。

そして投資を始める際には、まずは少額からスタートします。何より、株式投資に慣れることが大切。メカニズムを理解し、徐々に金額を高めるとよいでしょう。

自分に適している投資スタイルを選ぶ

株式投資には、数時間、数日といった短期スパンで売買を行う「短期投資」と、それ以上のスパンで売買を行う「長期投資」の2種類があるとされています。

どちらを選ぶかは

・性格
・資金
・株式投資に使える時間
などを基準に総合的に判断することが望ましいです。自分の投資スタイルが定まっていないと、悩んだときの判断にブレが発生してしまいます。冷静に売買を行うためにも、まず自分の投資の軸を決めましょう。

自分の投資スタイルに適しているネット証券を選ぶ

投資スタイルが決まったら、最後は自分に合ったネット証券を選ぶのみです。

・手数料

ネット証券の場合、取引手数料が安いことをメリットとして挙げました。下記表は、ネット証券の一部ですが、20万円の取引でも100円前後、中には無料といった証券会社もあります。

証券会社名約定20万約定50万約定100万
GMOクリック証券100円198円330円
楽天証券115円275円535円
松井証券0円0円1,100円
LINE証券115円275円535円
SBIネオトレード証券100円198円330円

取引額や取引回数を元に、証券会社を選びましょう。

・利用可能なサービス・ツールの内容

ネット証券は、それぞれ独自のツールを配布しています。口座開設後、自動的に使えるようになるケースが多いです。ツール自体は、証券会社により異なるため「使いやすさ」「機能の量」「取引工程のシンプルさ」などを注意し、自分にとって使い勝手の良いツールかどうかを考えておきましょう。

同時に、ネット証券のサポート内容や提供可能な投資情報もあわせてチェックしておきましょう。銘柄診断やテクニカル分析などがあると、便利です。

ネット証券の口座開設の方法

それではいよいよ口座開設です。必要な書類から実際の投資開始までをまとめています。

口座開設に必要な書類

・印鑑
・金融機関口座
・マイナンバー(個人番号)確認書類
・本人確認書類

※証券会社によっては、マイナンバーカードを用意しておくことで、本人確認書類の役割も果たしてくれるケースがあります。また、マイナンバー確認書類は「マイナンバー通知書」「マイナンバーが記載された住民票の写し」でも問題ありません。

ネット証券の口座開設の流れ

1.証券会社の公式サイトから申し込む
2.マイナンバー(個人番号)確認書類と本人確認書類を提出(メール、Web、書面など)
3.名前、住所、メールアドレスなどの必要事項を記入し、申込
4.証券会社より「口座開設手続き完了の案内」が届く
5.届いた書類に記載されている情報(口座番号、ログインパスワードなど)を元に、サイトを開いてログイン

これで口座開設は終了です。まだどの株を購入するか決まっていなくても、買いたいと思ったときにすぐに買えるよう、まずは資金を入金しておきましょう。

初心者が気をつけるべき投資の注意点まとめ

株式取引を始めるにあたり、やはり誰もが利益を出し勝ちたいものですよね。勝つためには失敗するリスクを減らすことが重要です。初心者が気をつけるべき注意点を3つ紹介します。

損切りをする勇気を持つ

買った値段よりも株価が下がっているときには、売る勇気が出にくいものです。「いつか買値に戻るはず」「買値以上になるはず」と考えてしまうと、いつまでも売ることができません。

特に初心者は株で損をすること(損切り)に慣れていないため、売るタイミングを逃しやすい傾向があります。できるだけ損失額を減らすためにも、損切りを行う勇気は必要です。

集中投資はリスクが高い!

銘柄を絞った上で資金を投入した場合、値上がりすれば大きな利益を出すことができます。しかし、逆に値下がりした場合、大きな損失をこうむることになります。投資の上級者であれば、集中投資をおすすめすることもありますが、初心者は「分散投資」を行いましょう。

業種が異なる複数の銘柄を選んでおくことで、例えひとつの業界が低迷したとしても、他の銘柄で利益を出し、損失を補うことが可能なためです。

「信用取引」はNG。自分の資金だけで取引をしよう

より多くの利益を得るためには、多くの元手が必要です。しかし、自分の資金には限りがあるという方も多いことでしょう。そんな時に利用できるのが「信用取引」です。

信用取引とは、自分のお金や株を担保に、証券会社にお金を借りて行う取引のことをいいます。つまり、借金して取引を行うようなものです。

信用取引では、預けた資産の3倍までお金や株を借りることが可能です。もちろん利益も通常の3倍になる一方、損失も3倍になる可能性があります。

株式投資に不慣れな初心者にとって、信用取引は高リスクです。あくまで自身の資金だけで取引を行うようにしましょう。

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初心者はネット証券を開設し、少額投資から始めよう

初心者の方にとっても、簡単なネット証券の口座開設。ネット証券の株式投資ならではのメリットもたくさんあり、資産運用の第一歩として検討している方も多いことでしょう。

今回は口座開設の方法からネット証券のメリット・デメリット、実際に投資を行う上での注意事項などをわかりやすくお伝えしました。

まずは少額取引からスタートすること。そして株式投資のメカニズムを理解しながら、自分の取引スタイルを確立させていきましょう。

文・柚月朋子

フリーランスとしての経験やポイント投資からスタートした経験を活かし、年間200本以上の記事を執筆・監修。投資初心者にわかりやすい記事執筆が目標。