周りの昇進が増えてくる30代、自分の年収がほかの人と比較して、どれくらい差があるのか気になるのではないでしょうか。最新の30代の年収を調べてみました。物価との関係にも注目して、みていきましょう。
30代の平均年収は?
国税庁の令和2年分調査「民間給与実態統計調査」によると、30〜34歳の平均年収は458万円、35〜39歳の平均年収は518万円でした。30代の平均年収はおよそ488万円となります。
全年代の平均年収は433万円で、前年比は0.8%減少しています。平均給与の推移を見てみると、平成30年から2年連続の減少です。
さらに、厚生労働省が報告した「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」によると、30〜34歳の月額賃金は約27.6万円、35〜39歳の月額賃金は約30.5万円でした。これを年収に換算すると、30〜34歳は約330万円、35〜39歳は約366万円です。
国税庁の調査は1年間の平均給与で、より「年収」に近い金額と考えられます。一方、厚生労働省の調査は令和3年6月を対象としており、実際の年収とは誤差が大きくなる可能性もあります。
物価が30代の年収に与える影響
総務省によると、2024年4月の消費者物価指数は前年同月と比較して2.5%も上昇していました。同年3月から0.4%の増加で、これからも物価上昇が懸念されます。
物価が上昇していても、年収も同様の割合で増加していれば問題ありません。しかし、30代の平均年収は減少傾向にあるのに、物価は上昇しています。つまり、より少ない年収で家計をやりくりしなくてはならないため、生活は厳しくなっていくことが予想されるでしょう。
生活に欠かせない生鮮食品、電気やガスなどのエネルギーの物価も2024年4月は前月より0.2%上昇しています。「贅沢しなければ大丈夫」と今までの生活を続けていると、老後資金が足りなくなる可能性もあります。
年収の減少と物価率の上昇で生活は厳しくなる傾向に
令和3年度の調査によると、30代の平均年収は30代前半で458万円、30代後半は518万円。平成30年から減少傾向にあります。
また、2024年4月分の消費者物価指数は前年より2.5%も上昇しています。生鮮食品やエネルギーも上昇しているため、今後の生活が厳しくなっていくことを理解しておきましょう。
日頃から節約や投資をして、老後資金を準備することが重要です。
文・大木千夏
2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を保有する独立系ファイナンシャル・プランナー。ライターとしても活動し、年間600本以上の記事を執筆・監修する。自身の投資経験から、資産運用分野に強みをもつ。