ファクトリー・オートメーションの総合メーカー、株式会社キーエンス。「年収の高さがやばい」と度々注目が集まる有名企業です。本記事では、キーエンスのボーナスや年収、新入社員の初任給や福利厚生など働き方にまつわる情報を解説します。
株式会社キーエンスの平均年収は、2182万円!
キーエンスの有価証券報告書(2024年3月・第53期)によりますと、従業員数は2,599人、平均年齢36.1歳、平均勤続年数12.5年です。
2024年3月期の平均年収は、21,827,204円でした。また求人サイトによりますと、キーエンスの30代社員の平均年収は、600万円を超えています。
東京商工リサーチの調査による2024年度上場企業(3213社)の平均年収は605万円です。
キーエンスの平均年収は、平均の3倍以上であり、30代の時点で一般の平均に到達すると考えると、かなり高いレベルであることがわかります。
ちなみに令和2年度の国税庁民間給与実態統計調査による正規雇用の平均年収は、496 万円(男性 550 万円、女性 384 万円)です。非上場企業も含めると、よりキーエンスの年収の高さが際立ちます。
下記は、キーエンスの過去5年間の平均年収を比較した表です。
決算月 | 平均年収 |
2018年3月 | 約2088万円 |
2019年3月 | 約2110万円 |
2020年3月 | 約1839万円 |
2024年3月 | 約1751万円 |
2024年3月 | 約2187万円 |
2020年3月期・2024年3月期は、2000万円の大台を切っています。しかし2024年3月期には、過去5年で最大の金額と持ち直しました。
キーエンスの年収はなぜ高い?ボーナス年4回!
2024年度3月期、日経500種平均株価銘柄、かつ100人以上の従業員を雇用している会社の有価証券報告書を比較したところ、平均年収全国トップとなったのがキーエンスでした。年収1000万円超えの企業自体が少ない中、2000万円という数字は驚愕です。
キーエンスは、営業利益の一定割合を社員に還元する会社としても有名です。ボーナスが年4回(3月、6月、9月、12月)支給されるだけでなく、毎月賞与としても支給されます。
キーエンスには、業績がアップすれば、自分たちの給料が増えることを実感できる体制があります。その結果、従業員のモチベーションが高まるといった好循環サイクルがあるといえます。
また多くの会社が昇給年1回のところ、キーエンスでは年2回(4月、10月)に昇給があります。
キーエンス新卒初任給は?福利厚生は?
キーエンスの新卒採用は「ビジネス職」「エンジニア職」「S職(事務職)」のコースに分かれています。2024年4月実績の初任給は、学部卒220,000円、修士了・博士了 240,000円です。
産労総合研究所発表のデータによりますと、2024年4月入社者への決定初任給(支給額一律の場合)は、平均、大学卒210,854円、高校卒173,032円でした。
キーエンスの新卒初任給自体は、平均と比べても1万円多い程度です。しかし前述しましたように30代の時点で、平均年収600万円を超えます。会社の業績により変動するとはいえ、かなり急激に年収が増加することがわかります。
キーエンスの福利厚生は?
キーエンスの福利厚生はシンプルといった口コミがありますが、ひと通りのものは揃っています。下記はキーエンスの福利厚生一例です。
- 借上社宅
- 地域住宅補助
- 社員持株会
- 財形貯蓄
- 慶弔金(結婚や出産祝い金)
- 退職金(日本版401kなど)
- キーエンスグループ健康保険組合
- 自己啓発支援
キーエンスは働きやすい会社?中途採用枠はある?
キーエンスは年収の高さや年4回のボーナス支給に注目が集まる一方「激務」「やばい」といった口コミも多数あります。実際、厚生労働省発表の「女性の活躍推進企業データベース」に記載されているキーエンス正社員の有給休暇取得率は34.4%です。
ちなみに令和2年、厚生労働省実施の「就労条件総合調査」の労働者全体の有給休暇取得率は、平均56.3%です。両者を比較すると、キーエンスの有給休暇取得率は平均よりも20%以上少ないことがわかります。
またキーエンスにはキャリア採用枠があります。下記は募集職種の一例です。
- ソフトウェア関連(開発)
- ソフトウェア関連(技術)
- ハードウェア関連(開発)
- デザイン関連(開発)
- 技術関連(事務)
- 生産関連(技術)
- ソフトウェア関連(生産)
- 生産関連(事務)
- 人事関連(事務)
- 経理関連(事務)
- Webシステム関連(開発)
- 営業関連
- データ分析関連
- カスタマーサクセス(カスタマーサポート)
2024年8月時点として掲載されていた中途採用実績は男性17人、女性13人でした。キーエンスの中途採用は、職種は多いものの、求められるスキルや実績が高く、かなり転職難易度が高いと考えられます。
キーエンスの連結子会社は28社!ボーナスはいくら?
キーエンスの連結子会社としては、「キーエンスエンジニアリング株式会社」「キーエンスソフトウェア株式会社」といった本業に大きく関わるものがある一方、広告・マーケティング業を営む株式会社イプロスなどもあり、かなり幅広いといえます。
キーエンスと子会社では平均年収やボーナスの額など、異なる点もありますが、キーエンスグループとしての恩恵を受けられるメリットはかなり大きいでしょう。
ここでは数社をピックアップし、気になる平均年収やボーナスについて紹介します。
キーエンスエンジニアリング株式会社
キーエンスエンジニアリングは、キーエンス商品の生産会社です。主な仕事は、修理・解析、製造装置設計業務です。求人サイトに記載されている平均年収は500〜800万円、ボーナスの支給は年2回です。4.0ヶ月分に人事考課乗数をかけた分が支給されます。
キーエンスソフトウェア株式会社
キーエンスソフトウェア株式会社は、キーエンス商品のソフトウェアやアプリケーションを開発する会社です。中途採用の公式ページでは、主にソフトウェア開発技術者(アプリケーション・システムソフトウェア)とソフトウェアテスト技術者を募集しています。
求人サイトに記載されている年収は550万円~800万円。賞与は年2回(6月・12月)ですが、さらに四半期に一度、会社の業績に応じた業績賞与が支給されます。
株式会社イプロス
株式会社イプロスは、データベースサイト「イプロス」を運営する企業です。キーエンス100%出資会社ではあるものの、事業的なつながりは乏しいでしょう。ただ、2024年度の平均年収実績は965万円、2024年度の年間休日は134日です。また、賞与は年2回、実績は5ヶ月分です。これらの数字を見る限り「さすがキーエンスグループ」と思う人も多いのではないでしょうか。
公式にもキャリア採用ページはあるものの、さまざまな職種の中から検討したい場合は、転職エージェントを活用した方が良いでしょう。
またイブロスの平均年齢は2024年4月時点で、29.5歳です。かなり若い年齢層の会社といえます。
キーエンスのボーナス・働き方に関するよくある質問
Q.キーエンスはなぜ給料が高い?
A.キーエンスは、営業利益の一定割合を社員に還元する仕組みのある会社です。年4回のボーナスに加え、毎月業績賞与が支給される会社は他に例を見ないため、キーエンスの給料が突出して高口なっています。
Q.キーエンスの弱みは?
A.キーエンスの有価証券報告書によりますと、国内経済及び海外経済の動向の変動、為替変動を事業リスクとして記載しています。他にも直近10年以内に社員の40%を採用するなど、事業拡大と社員の育成のバランスに関する不安もあります。
Q.ボーナスは何ヶ月分?
A.キーエンスの場合、営業利益の一定割合を全社員(新入社員も含む)で受け取る仕組みです。そのため、一般的な企業のように「月給の何ヵ月分」といった表し方をすることは困難といえます。
Q.キーエンスの離職率は?
A.キーエンスの公式サイトには、離職率年5%前後と記載されています。
文・柚月朋子
フリーランスとしての経験やポイント投資からスタートした経験を活かし、年間200本以上の記事を執筆・監修。投資初心者にわかりやすい記事執筆が目標。