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これから資産形成を始めたい人へ おすすめ本3冊

資産形成のために投資を始めたいのだけど、いろいろある中からどれを選べばいいのか迷ってしまう。ネットにはたくさん情報があるのに、あり過ぎてかえってどれを参考にしていいのかよくわからない。そんなときにおすすめしたいのが書籍です。ここでは投資初心者に向けておすすめの本3冊を紹介します。

なんで動画やネット記事でなくて本がいいの?

いまの時代、スマホ1台あれは情報収集は事足ります。実際、ツイッターやヤフーの記事に目を通していればたいていのトレンドは把握できるし、興味のあることはGoogleで検索すれば関連情報がどんどん出てきます。本当に便利な時代です。

でも、なにかひとつのテーマを深掘りしたいというときは、情報が溢れているインターネットはそれを取捨選択するだけで疲れてしまったりするものです。

お稽古事を例に挙げてみましょう。

ピアノでもバレエでも、何かを習い始めるのに一度に何人もの先生につく人はいませんよね。それと同じで、初心者が資産形成の勉強をするなら、お手本はひとつあれば十分です。「本」をおすすめする理由はそこにあります。なぜならば、本には欲しい情報がコンパクトにまとまっているからです。

ユーチューバーや人気ブロガーが本を出す理由

ネットがこれだけ全盛なのに、書店に行くと以前と変わらず、いや以前にも増してビジネス書やノウハウ本が並んでいます。そうした本でとくに目につくのが、ユーチューバーや人気ブロガーの書いた本です。

ユーチューバーや人気ブロガーはなぜ本を出すのでしょう。

そこにはもちろん出版社側の思惑があります。芸能人と同じで、最初から大勢のファンがいるインフルエンサーが著書を出せば、当然、多くの人が手にとってくれるだろうというマーケティング的な発想です。

と同時に、著者にとっては、本を出すというのはネットでこれまで自分が発信し続けてきたことを体系的にまとめる絶好の機会になります。

例えば、投資について、前回はiDeCo、今回は積み立てNISA、とネットで何度かに分けて発信してきた情報を、書籍なら1冊にまとめることができるのです。これは読み手にとってもありがたいことです。

信頼度が高い本からの情報

そして、本にはもうひとつ、インターネットにはない魅力があります。

誰もが自由に発信できるインターネットは確かに便利ですが、個人による発信だと間違った情報を流してしまうおそれもあります。その点、編集者や校正者、監修者といったプロのフィルターがかかった書籍は、情報として一定の信頼度が担保されています。鮮度という点ではネット記事やSNSに及ばないけれど、間違った情報に遭遇する確率という意味では、本は安心安全な情報の供給源といえるのです(載っている情報が古くなっているということはありますが)。

資産形成は人生の一大事。普段は「本なんか読まない」という人も「忙しくて本を読む時間なんかない」という人も、たまには時間をつくって本を開いてみてはいかがでしょう(もちろん、電子書籍でもOKです)。

投資初心者におすすめしたい入門書3冊


『本当の自由を手にいれる お金の大学』 両@リベ大学長(著)(朝日新聞出版)

ユーチューブ動画再生本数1000本、累計再生回数2億回、その他SNSのフォロワー数十万人(2020年6月の出版当時)という両@リベラルアーツ大学学長さんが著者の「お金の勉強」本です。

本書では、〈多くの日本人がお金から自由になれないのは、学校で「お金」について学ぶ機会がなかったから〉を前提に、「お金に困らない人生を送るため」に必要な「貯める」「稼ぐ」「増やす」「守る」「使う」という5つの力を解説しています。

著者が読者に向かって掲げる目標は「経済的自由」。ここで言う「経済的自由」とは「働かなくても入ってくるお金で生活できる状態」を指します。「そんな夢みたいなこと自分には無理」と思わないでください。この本には「経済的自由」に近づくためにすべきことが項目ごとに並んでいます。通信費や光熱費、保険などの固定費の見直し、住宅や自動車購入のポイント、税金対策、転職、副業、株式投資、不動産投資のやりかたなど、ひとつひとつは決して難しいものではありません。

例えば、固定費のページにある「スマホは格安SIMに変えよう!」。これなら誰だってできるのではないでしょうか。「経済的自由」への第一歩は誰にだって踏み出せる、ということをこの本は教えてくれています。

発売以来2年ですでに100万部を突破している本書。イラストも豊富、オールカラーで構成された内容は、パラパラめくるだけでも気分をアップしてくれます。

本当の自由を手に入れる お金の大学

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『オトナ女子のお金の貯め方増やし方BOOK』 大竹のり子(監修)(新星出版社)

「難しい数字の話は苦手」という女性のための貯蓄&投資入門本です。貯蓄や投資だけでなく、「結婚にはいくらかかる?」、「マイホームと賃貸、どっちがお得?」、「子育てには一人2000万円かかる!」といった女性が関心のあるテーマについても触れています。

本書が提案しているのは「お金が増える習慣」を身につけること。「ネット銀行をじょうずに活用する」、「銀行口座は2つ持つ」、「毎月、自動で先取り貯蓄する」など、簡単に習慣化できそうなことを教えてくれています。

 この本で定義する「オトナ女子」とは「知性を身につけ、お金とじょうずにつきあえる女性」を指します。お金について学ぶことは知性を磨くことなのです。

後半部では投資について詳しく解説。投信やNISA 、iDeCo、株式投資などについて項目別に説明しています。図版、イラスト、テキストで構成された内容はとても読みやすく、まさに初心者にぴったりの1冊です。もちろん、男性にも役立つ情報ばかりです。

オトナ女子のお金の貯め方増やし方

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『サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット』 モーガン・ハウセル(著)児島修(訳) (ダイヤモンド社)

世界で絶賛されている「ここ数年で最高かつ、最も独創的なお金の本」(ウォール・ストリート・ジャーナル評)です。

書かれている内容は、一言でいえば資産形成に臨む「心構え」です。全体を通してわかりやすい文章で書かれているのですっと読んでしまえますが、〈人の投資判断は、「いつ、どこで生まれたか」に影響される〉、〈“十分な量”の資産を築くためのシンプルな方法〉など、あらためて考えると目から鱗といったことがたくさん書かれてもいます。例えば、いまでは当たり前のようになっている個人投資や年金制度がいつから始まったのか。それを知ると、実は自分を含めて世界の誰もが投資の初心者であることがわかったりします。そして成功者の多くは実力だけでなく運を味方につけた人々だということもわかります。

アメリカ人の著者だけあって、実在のアメリカ人投資家の名前やエピソードがたくさん出てくるあたりも興味深いところ。とはいえ、著者はそうしたお金持ちの手法を読者に学べとは言っていません。著者が勧めているのは、誰でもできる簡単な投資です。それこそが資産形成の早道なのです。この本はそのために何が大切なのかを教えてくれます。お金と同時に、人生について深く考えさせてくれる現代の良書です。

サイコロジー・オブ・マネー――一生お金に困らない「富」のマインドセット

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文・中野渡淳一

文筆業者。著書に『怪しいガイドブック~トラベルライター世界あちこち沈没記』『漫画家誕生 169人の漫画道』。この他「仲野ワタリ」名義で『海の上の美容室』「猫の神さま」シリーズ等小説作品多数。『moneyscience』では生活者目線及び最新トレンドの記事を中心に執筆。