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初心者向け ふるさと納税を利用してみよう!

よく耳にするけど、実はまだ利用したことがないという人も多い「ふるさと納税」。税金が控除されたり、返礼品がもらえたり、お得なことがいっぱいのこの制度、今年こそ使ってみませんか? ふるさと納税がはじめてという人向けにおさらいしてみました。

ふるさと納税とは? 実は「納税」にあらず!?

ふるさと納税とは、全国の自治体のうち、自分の出身地や応援したい自治体などを選んで「寄付」をすることで、現在の居住地である自治体に納めなければならない住民税の控除や所得税の還付が受けられるという制度です。

つまり、「納税」とは言うものの、実質的には「寄付」。それも寄付する先の自治体から土地の名産品などが返礼品として送られてくるので、ただの寄付ではなく、ちょっとした買物だと考えればいいかもしれません。

しかも、この寄付=買物には、税金が安くなったり(控除)、還付を受けられるかもしれないという特典がついています。どこをどう見ても、素晴らしくお得な制度です。

総務省のポータルサイトでは、ふるさと納税をこのように説明しています。

『多くの人が地方のふるさとで生まれ、その自治体から医療や教育等様々な住民サービスを受けて育ち、やがて進学や就職を機に生活の場を都会に移し、そこで納税を行なっています。その結果、都会の自治体は税収を得ますが、自分が生まれ育った故郷の自治体には税収が入りません。そこで「今は都会に住んでいても、自分を育んでくれた「ふるさと」に、自分の意思で、いくらかでも納税できる制度があっても良いのではないか」、そんな問題提起から始まり、数多くの議論や検討を経て生まれたのがふるさと納税制度です。』

ワンストップ特例で確定申告の必要はなし

ふるさと納税の利用者数や利用率を見てみると、日本全体では利用者数は約740万人、利用率は12.45%にしか達していません。納税義務のある人のうち77%以上の人が利用していないということになります。

民間の研究所が行なった意識調査では、ふるさと納税を利用していない人の多くが「仕組みやメリットをよく知らないため」と答えています。また知ってはいても「手続きが面倒くさそう」と答えている人も少なくありません。

税金の還付や控除を受けるには確定申告をしなければなりません。確定申告はやったことがない人にはハードルが高いものです。しかし、実際のところ確定申告はそれほど面倒なものではありません。

またふるさと納税には「ワンストップ特例」という制度があり、これを利用すると確定申告はせずとも税金が控除されます。ワンストップ特例は確定申告や住民税の申告の必要がない給与所得者で、寄付する自治体が年間に5団体までという人であれば誰でも利用できます(6団体以上は確定申告をしなければならない)。

手続きは寄付する自治体と税金を納める自治体が連携しているため極めて簡単。マイナンバーカードやスマートフォンがあればオンラインでも申請できます。

ふるさと納税の特徴と利用できる人

ふるさと納税の特徴は以下の4つです。

  • 全国の自治体に寄付が可能 
  • 自治体によっては寄付金の使い道が選べる 
  • 応援した自治体(地域)の名産品などの返礼品が受け取れる 
  • 税金の還付・控除が受けられる

ふるさと納税は、税金の控除を目的のひとつとしているため、利用できる人とできない人がいます。利用できるのは基本的に住民税や所得税などの税金を払っている人に限られます。給与所得がない人や所得税や住民税を払っていない人には控除は適用されません。

また控除には上限額があり、それは年収や家族構成などによって変わります。

簡単に言うと、収入があって税金を支払っている人であれば利用できます。目安となるのは控除上限額で、寄付金額はその範囲内で、ということになります。寄付金額のうち2,000円は自己負担額となっていて、それを除いた金額は控除の対象となります(例えば、3万2,000円の寄付をしたら3万円が控除される)。

ふるさと納税の申し込み方法と時期

ふるさと納税を利用するのにいちばん便利なのは、「ふるなび」「さとふる」「楽天ふるさと納税」などのふるさと納税を扱っているサイトにアクセスすることです。こうしたサイトでは、ふるさと納税の申し込みや各自治体の返礼品の情報収集、控除上限額のシミュレーションなどができます。

サイトを開いたら、自治体や返礼品を選んで申し込み手続きをするだけ。これでふるさと納税が利用できます。

応援する自治体が決まっている人なら、その自治体のホームページを見てみるというのもいいでしょう。

ふるさと納税は1年を通して実施されているので、いつでも申し込むことが可能です。ただ、控除、還付される税金は毎年12月31日が年の区切りとなっているため、年末に近い11~12月がなんとなくのシーズンという感じになっています。

例えば、2024年の所得税の還付や2024年の住民税の控除を受けたいのなら、2024年の間に申し込みを済ませておく必要があります。ふるさと納税は、寄付をする側にもされる側にもメリットがある素晴らしい制度です。クレジットカードなども利用できるので、まだという方はぜひ利用してください。

文・中野渡淳一

文筆業者。著書に『怪しいガイドブック~トラベルライター世界あちこち沈没記』『漫画家誕生 169人の漫画道』。この他「仲野ワタリ」名義で『海の上の美容室』「猫の神さま」シリーズ等小説作品多数。『moneyscience』では生活者目線で最新トレンドの記事を中心に執筆。