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【投資初心者向け】何から勉強すればいい?学びの最短ルートを解説

いざ投資を始めようとしても「投資初心者の勉強方法は?」「株初心者は何から始める?」と戸惑う人は多いもの。正しく勉強することで、投資に勝つための道を見つけることは不可能ではありません。本記事では、投資の勉強最短ルートを解説します。

投資初心者が勉強すべき5つのポイント

あなたが「お金を増やしたい」「目的のために、手持ちの資金を運用したい」と考えているならば、知識を蓄える順番と必要なポイントを押さえることが重要です。

  • 株式投資の基本とリスク
  • 証券口座を選ぶ
  • 株主優待と配当金
  • 株の注文方法
  • NISAとiDeCo

投資初心者が学ぶべき内容:1:株式投資の基本とリスク

まず、押さえておきたいのが投資の基本用語。そもそも「株式投資」とは、企業が株式を発行し、投資家から資金を調達する仕組みのことを言います。もちろん企業側だけでなく、投資かにもメリットがあります。

投資家のメリット

  • 企業が利益を出すことで「配当金」が得られる
  • 自分が持っている株が値上がりした後に売却することで、利益が得られる

ただ、投資家から集めた資金で、企業が始めたサービスが全てうまくいくとは限りません。失敗し利益が減ることや、会社が倒産することも考えられます。この場合は、投資した資金が減ったり、完全に失ったりすることもあります。

次は「株価」です。株価とは、各企業(会社)が発行している株式1株あたりの値段のことをいいます。「社名○○ 株価」で検索すると1株あたりの株価を知ることができます。

Q.株価はどうやって決まるの?

A.証券取引所での需要と供給によって決まります。買いたい人が多ければ高く、売りたい人が多ければ安くなるのが基本の考え方です。

Q.株価が上がったり下がったりする理由は他にもある?

A.はい、理由はいくつもあります。大きく分けると「会社の理由」「市場全体の理由」の2種類です。全てを把握することは難しいですが、できるだけニュースなどで最新情報を得るようにしましょう。

会社の理由市場全体の理由
企業の業績
外国人投資家の動向 など
自然災害、戦争
社会情勢
景気
金利
海外市場の株価変動 など

「株式投資には企業分析が必要」と言われています。もちろん企業分析は重要ですが、市場の動向からも影響を受けることを理解しておきましょう。

また企業分析をする前に、基本的な指標を理解しておくと便利です。

用語計算式内容
PER株価÷1株あたりの純利益株価成長の可能性
PBR株価÷1株あたりの株主資本会社の純資産と株価の関係
ROE当期純利益÷自己資本×100企業の収益性

上記を押さえた上で「消費者目線」を掛け合わせていくことをおすすめします。

そして最後は「リスク」「リターン」の意味です。

私たちは日常でも「リスクが高い」などと話すことがありますが、資産運用においては、少し意味合いが異なります。そもそも資産運用における「リスク」とは、得られる利益の振り幅の大きさを意味する言葉です。

例えば、10万円が「100,500円、または99,500円になる=リスク小」、「20万円または0円になる=リスク大」と考えることができます。最も分かりやすい、ローリスク・ローリターンは、預貯金です。元本を割ることはありませんが、得られる収益は微々たるものです。

ポイントは、リスクとリターンは比例するということ。つまり、ローリスク・ハイリターンの商品は存在しません。このような話を持ちかけられたら、詐欺を疑った方が良いでしょう。

どれだけのリスク(リターン)を想定するかは、人によって異なります。自分の資産や投資に対する考え方をもとに、自分が始めようとする投資について、ある程度予測しておくことが重要です。

投資初心者が学ぶべき内容:2:証券会社を選ぶ

証券会社によって「取扱商品」「手数料」「ポイント制度」「サポート体制」などの内容が異なります。「どうしても対面で相談したい」などのこだわりがなければ、ネット証券がおすすめ。中でも人気が高いのは「SBI証券」「楽天証券」です。

証券会社を選んだら、次は口座解説です。SBI証券の場合、「ネットで申込」「郵送で申込」の2種類から選ぶことができます。楽天証券は、楽天会員であれば、かなりスムーズに申し込むことができますよ。

そのほかの証券会社も、基本的に画面の案内に従って進むだけでカンタンに口座開設が可能です。

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投資初心者が学ぶべき内容:3:株主優待と配当金

株式投資を始めるメリットとしてイメージしやすい「株主優待」。企業から株主に贈られるプレゼントのようなものです。自社サービスや商品など内容もさまざま。

株主優待を目的に株を買う前に、押さえておきたい用語が3つだけあります。

用語内容
権利確定日優待が貰える権利が決まる大事な日!
権利付最終日株購入で優待が貰える権利が得られる最終日(重要)
権利落ち日優待の権利が得られない日(この日以降の購入はNG)

ここではイオンの株主優待制度を例に挙げておきます。

権利確定日毎年8月末・2月末
2024年の権利付最終日2024年8月29日(月)
配当金(2024年度:年間)36円/1株
配当金(2024年度:年間)※予定36円/1株

優待獲得には100株が必要です。株主にはオーナーズカードが発行され、買い物の際にオーナーズカードを提示することで、半年後ごとにお買い上げ金額の合計から返金されます。

株数キャッシュバック率
100〜499株3%
500〜999株4%
1,000〜2,999株5%
3,000株以上7%

つまり2024年8月30日に100株を買った場合、権利確定は2024年2月末ということに。半年以上空いてしまうため、もったいないですよね。せっかく株主優待を目的にするのであれば、事前に権利確定日を調べておくことをおすすめします。

また「配当金」とは、企業の利益のうち、一定の割合を株主に分配する仕組みです。

メリットデメリット
預貯金以上の利益になる可能性がある
株価よりも安定傾向
配当金には税金がかかる
配当金は減少する可能性がある

投資先を選ぶ際のポイントとなる用語は「配当利回り」「配当性向」の2つです。

「配当利回りが高い=配当が多い」であり、「配当性向が高い=投資家への利益配分が多い」と言えます。「企業名+配当利回り(または配当性向)」検索で数値を調べることもできますが、計算式についても簡単に押さえておきましょう。

  • 配当利回り(%)=1株あたりの年間配当金(予)÷株価×100
  • 配当性向(%)=配当金支払い総額(予)÷当期純利益
  • 配当性向(%)=1株あたりの年間配当金(予)÷1株あたり純利益(EPS)

ただ、これらの数値は現状を表すものです。特にベンチャー企業の場合、成長に投資が必要なため、配当性向が0%であることも少なくありません。配当性向が高い=良い、配当性向が低い=悪いと判断せず、事業の内容にも目を向けるようにしましょう。ちなみに成熟した企業の場合、配当性向の平均は20〜30%と言われています。

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投資初心者が学ぶべき内容:4:株の注文方法

株の注文方法は「指値(さしね)」「成行(なりゆき)」の2種類です。

 指値注文成行注文
特徴希望した価格で売買できる現在の表示価格で売買できる
メリット希望価格で取引できる
事前に注文の設定が可能
売買成立までのスピード感
指値注文よりも優先的に取引
デメリット指定価格にならないと売買が成立しない株価の変動が激しいと、想定外の値での取引になる

Q.初心者にはどちらがおすすめ?

A.想定外の価格での取引を防ぐため、基本的に指値注文がおすすめです。成行は「絶対に今、売買したい!(損切りなど)」という急ぎの場面で行いましょう。また、単元未満株やミニ株の場合は、ほとんどが成行のみであることにも注意が必要です。

株を購入する際に決める内容は、基本的に次の6つです。証券会社により手順や内容は多少異なりますが、落ち着いて設定していきましょう。

  1. 銘柄
  2. 株数
  3. 注文方法(指値注文または成行注文)
  4. 「買い」または「売り」
  5. 注文有効期限
  6. 口座区分(一般、特定、NISA)

特に初心者の場合は、焦って設定ミスをしてしまう可能性も高いもの。だからこそ、想定外のリスクを避けるためにも指値注文がおすすめです。

投資初心者が学ぶべき内容:5:NISAとiDeCo

株式投資を行う上で絶対に押さえておきたいのが「NISA」と「iDeCo」。どちらもよく聞く名称ですが、内容やメリット・デメリットが異なるため、まず基本を理解しておきましょう。

NISA(ニーサ)

まずはNISAから解説します。

そもそもNISAとは、国が定めた「少額投資非課税制度」のことです。国が投資を推奨している証。そして、株式や投資信託による値上がり益や配当金のうち、あらかじめ定められた金額が毎年非課税となる仕組みです。

2024年時点では「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類があり、2024年度から制度の内容が変更になります。2024年で終了するジュニアNISAは、本記事では紹介していません。

2023年まで

 一般NISAつみたてNISA
対象者日本在住 20歳以上(口座開設する年の1月1日時点)日本在住 20歳以上(口座開設する年の1月1日時点)
投資方法スポット購入・積立方式積立方式
年間非課税枠120万円40万円
非課税となる期間(最長)5年20年
対象商品上場株式・ETF・公募株式投信・REITなど国が定めた基準を満たした投資信託
非課税対象対象商品にかかる配当金・分配金、売却益対象商品にかかる配当金・分配金、売却益
口座開設期間2024年開始分まで2042年開始分まで
金融機関変更年ごとに変更できる年ごとに変更できる

2024年から

 新しいNISAつみたてNISA
対象者日本在住 18歳以上(口座開設する年の1月1日時点)日本在住 18歳以上(口座開設する年の1月1日時点)
投資方法スポット購入・積立方式積立方式
年間非課税枠2階部分 102万円 1階部分 20万円40万円
非課税となる期間(最長)5年20年
対象商品2階部分:上場株式・ETF・公募株式投信・REITなど
1階部分:つみたてNISAと同条件
国が定めた基準を満たした投資信託
非課税対象対象商品にかかる配当金・分配金、売却益対象商品にかかる配当金・分配金、売却益
口座開設期間2024年~2028年2042年開始分まで
金融機関変更年ごとに変更できる年ごとに変更できる

NISAとつみたてNISAの大きな違いは「非課税期間」「年間非課税投資枠」だけではありません。注目したいのは「投資方法」と「対象商品」です。

そもそも、つみたてNISAは「投資信託」のみが対象。株式投資をしたい場合は、必然的にNISAを選ぶことになります。

NISA、つみたてNISAのメリット・デメリットを表にまとめました。

NISA

メリットデメリット
つみたてNISAに比べ選べる金融商品が多い
非課税期間内に売却すれば非課税
株式の配当金が非課税
株式投信の分配金も非課税
引き出し時期は自由
非課税期間終了時点でのロールオーバーもOK
損益通算ができない
非課税枠が余っても持ち越しはできない  

つみたてNISA

メリットデメリット
国が定めた基準を満たした投資信託
非課税期間が最長20年間
積立で購入できるため、少額投資が可能
引き出し時期は自由
日本株、外国株、REITへの投資はNG
損益通算ができない
非課税枠が余っても持ち越しはできない  

Q.NISAに向いているのはどんな人?

A.投資経験者かつ、短期間で株式投資による利益を出したいと考えている人です。余剰資金が100万円以上ある人なども向いているかもしれません。

Q.つみたてNISAに向いているのはどんな人?

A.投資未経験の人です。“つみたて”の名前の通り、コツコツと資産運用をしたい人、現在まとまった資金を持っていないけれど投資を始めたい人にも向いているでしょう。

NISAとつみたてNISAは、併用することができません。そのため自分に合った方を選ぶようにしましょう。

iDeCo(イデコ)

iDeCoとは、個人型確定拠出年金のこと。加入者数は、233.8万人(2024年3月時点)と、年々増加傾向にあります。

自分で掛金を決め、運用することで老後の資産を作ることが目的の制度です。

iDeCoのメリットは、主に3点です。

  1. 掛金全額が所得控除=住民税や所得税が安くなる
  2. 運用益が全額非課税(※NISAと同じ)
  3. 受け取り時にも税制優遇あり

これだけ見るとメリットが多く感じますが、3つのデメリットも存在します。

  1. 掛金の限度額が決まっている(意外と低い)
  2. 原則60歳まで引き出せない
  3. 元本保証がない(元本割れリスク)

ひとつずつ、詳しく説明します。

まず、iDeCoの場合、国民年金の種類により、掛金の限度額が決まっています。例えば自営業者(第1号被保険者)であれば、月額68,000円。会社に企業年金がない会社員(第2号被保険者)の場合、月額23,000円、公務員は月額12,000円。

専業主婦・専業主夫(第3号被保険者)の場合は、月額23,000円。掛金が全額所得控除になるとはいえ、自営業者やフリーランス以外の働き方をしている人にとっては、2万円強しか投資できません。

さらに自営業者、フリーランスの場合は、月額68,000円の中に、国民年金基金の掛金、国民年金の付加保険料も含まれる点に注意が必要です。

そしてiDeCoの場合、運用資金は、原則60歳まで引き出すことができません。これはNISA、つみたてNISAとの大きな違いです。

Q.「原則」ということは、引き出せる条件もあるの?

A.加入者が死亡した場合やケガ・病気で障害を負った場合は、引き出すことが可能です。特別な要件を満たすと「脱退一時金」を受け取ることもできます。ただ、自己都合(住宅購入の頭金にしたいなど)での解約・引き出しは難しいと考えておきましょう。

最後に、iDeCoは元本保証型の投資ではありません。長期運用、リスク分散と考えると、元本を下回る可能性は低いとされているものの、可能性はゼロとは言えません。

ここで、リスクとリターンの話を思い出してください。元本保証型の場合、リターンも低くなります。それでも絶対にマイナスを避けたいと考える人は、iDeCoではなく、預貯金や元本保証型の別の方法での老後資産を蓄えることをおすすめします。

まとめ:投資の勉強は基本を押さえることから始めよう

本記事では「投資の勉強は何から始めるべき?」と悩んでいる方向けに、基本のポイントを解説しました。基本を理解していない状態で実践したり、本を読んだりするよりも、まず最低限の知識を得ることが重要です。

その上で、自分のレベルに合わせた本、興味のある分野の本を読んでみてください。

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文・柚月朋子

フリーランスとしての経験やポイント投資からスタートした経験を活かし、年間200本以上の記事を執筆・監修。投資初心者にわかりやすい記事執筆が目標。