近年よく聞くようになった「メタバース」という言葉。メタバースとはいったい何で、何ができるのかを正確に答えられる人は、案外少ないのかもしれません。今回は、メタバースとは何か、基本概念や仮想通貨との関連を解説するとともに、メタバース関連銘柄を紹介します。
メタバースとは
メタバースとは、英語で「Metaverse」と表記し、「アバターを操作して動き回れる3次元の仮想空間を提供するプラットフォーム」のことです。身近な事例でいえば、オンラインゲームの「どうぶつの森」や「マインクラフト」、「FF14」などはメタバースの一種です。
ただ、オンラインゲームの場合、ゲーム内で得られたアイテムやゲーム内通貨のリアルマネーでの売買は、ゲームの規約上一般的に禁止されています。一方メタバースでは、参加者の活動により対価を得て、リアルマネーと交換する経済活動も可能です。
メタバース内で得た通貨(トークン)は、仮想通貨と換金できるサービスもあります。このため、メタバースサービスを利用する際は、基本的に仮想通貨の口座開設から始めるのが一般的です。
メタバースサービス内での経済活動にはさまざまなパターンがあります。例えば、空間内で使う数々のアイテムを作って販売するクリエイター、メタバース内の案内などを行って労働対価を受け取るサービスプロバイダーなどがあります。また、メタバース内の土地や資産の売買で利益を得るインベスターなどもあり、現実の経済活動とよく似ている点は特徴的です。
今人気のブロックチェーン技術を使ったメタバースサービス
メタバースの体験だけでなく、経済活動に興味のある場合は、ブロックチェーン技術を活用している以下のメタバースサービスをおすすめします。
- ザ・サンドボックス(The Sandbox)(使用通貨:SAND)
- ディセントラランド(Decentraland)(使用通貨:MANA)
- Enjin(エンジン)プラットフォーム(使用通貨:エンジンコイン)
いずれも、メタバース内で経済活動ができ、資産を増やしたい人には人気のあるサービスです。
メタバースを利用するメリット
メタバースを利用するメリットには、主に以下のようなものがあります。
- 距離の制約なく多くの人と交流できる
- 日常(会話やバーチャル店舗巡り)・非日常(ゲームやイベント)の両方を楽しめる
- テレワークやオンライン会議もしやすい
- 経済活動で稼ぐこともできる
- 専用のヘッドセットなどを使、いよりリアルな体験も可能
オンラインゲームでもいくつかのメリットは被ります。ただしテレワークやオンライン会議のしやすさ、経済活動が可能といった点は、メタバース独自のメリットです。
日米のメタバース関連銘柄を確認!
メタバースを利用せずにメタバースの将来性に投資したい場合は、メタバース事業を展開している企業への株式投資が良いでしょう。
米国株で、主なメタバース関連銘柄は以下の通りです。
- ロブロックス
- エヌビディア
- メタ・プラットフォームズ
- ユニティ・ソフトウェア
- マイクロソフト
- アマゾン
- アップル
日本株で、主なメタバース関連銘柄は以下の通りです。
- 燦キャピタル
- グリー
- メディア工房
- パナソニック
- ソニーグループ
- 任天堂
- NTT
- KDDI
上記以外にも、メタバース関連銘柄はたくさんあるので、まずは事業内容を調査して投資先を見つけてください。身近な企業からチェックしてみるとわかりやすいでしょう。
まずはメタバースサービスを体験しよう
メタバースの基本概念やブロックチェーン技術を使用したおすすめのメタバースサービス、メタバース関連銘柄を紹介しました。メタバースのメリットは、実際にメタバースサービスを利用して体験するとよく理解できます。メタバース関連銘柄に投資する場合は、事前にメタバースサービスを使ってみて、その世界観をぜひ体験してみてください。
文・藤森みすず
大手Slerにてシステムエンジニアを経験後、フリーランスのライターに。金融記事をはじめ旅行や時事ネタなど多くの記事を執筆。