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ネットショップを開業したい。いちばん手軽な方法はどれ?

独立開業の手段として、副業として、実店舗と比べて少額の資金で開業できるネットショップが人気です。店舗経営の経験がない新規参入者がネットショップを開くにはどんなステップを踏めばいいのでしょうか。ネットショップのメリットやデメリットとともに、その方法を紹介します。

ネットショップはいまが攻めどき?

いまや当たり前となったスマホやパソコンを介してのネットでの買物。経済産業省の発表によると日本国内のBtoC-EC市場は2024年で20兆6,950億円。このうち物販系は13兆2,865億円で、前年比で8.61%の成長を記録しました。

全商品のED化率(全商取引のうちのEC市場での取引の割合)は8.78%。コロナ禍前の2019年が市場規模10兆515億円、EC化率6,76%だったことを思えば、わすが2年で市場が急成長していることがわかります。

こうした動きは世界的なものであり、野村総合研究所の見通しでは2029年における日本国内のBtoC-EC市場の規模は2024年の約1.5倍の29兆円にまで成長するとされています。

ネットショップのオーナーやこれからネットショップを開業しようという人には、まさにいまが攻めどきといえます。

どうして市場が拡大しているのか。大きな理由のひとつはやはり新型コロナウイルス感染症です。2020年から始まったコロナ禍では、消費支出全体を見ると買い控えなどで減少傾向となりましたが、そのなかで実店舗に行かずに買物ができるECだけは前述の通り市場規模を拡大させました。

これをきっかけにそれまでネットショップでの買物をしていなかった層までECが浸透、またすでに利用者であった層もますます便利なECを使う回数が増えていきました。その結果が現在の市場規模なのです。

新型コロナウイルス感染症自体は2類相当から5類へと移行しますが、EC市場自体の規模は今後も拡大していくことが予想されています。

理由のひとつは、やはりその手軽さにあります。重いものでも、大量に購入したとしても、自宅へと運んでくれるECは、一度その便利さを知ったらなかなかやめることはできません。また各ECサイトやクレジットカード会社が提供するお得感たっぷりのポイント施策などもあって、買う側にとって実店舗にはないメリットが多々あります。そんなこともあって、EC市場は拡大のひとつの背景となった新型コロナウイルス感染症の流行が終息したとしても成長し続けるであろうと予測されています。

EC市場で売れているものは何か

物販系のEC市場では何が売れているのでしょうか。EC化率と売上規模、それぞれの1~5位を2024年のデータで見てみましょう。

(EC化率)
1位:書籍、映像&音楽ソフト(46.20%)
2位:PC&周辺機器、AV機器、その他生活家電(38.13%)
3位:家電・生活雑貨・インテリア(28.25%)
4位:衣類・服飾雑貨(21.15%)
5位:化粧品、医薬品(7.52%)

(売上規模)
1位:食品、飲料、酒類(2兆5,199億円)
2位:PC&周辺機器、AV機器、その他生活家電(2兆4,584億円)
3位:衣類・服飾雑貨(2兆4,279億円)
4位:家電・生活雑貨・インテリア(2兆2,752億円)
5位:書籍、映像&音楽ソフト(1兆7,518億円)

上記を見ると、普段の生活で使うものや仕事や趣味で必要とするものが買われていることがわかります。とくに書籍や映像&音楽ソフトなどは市場の半分近くがECで購入されています。最近は町を歩いていても書店やCDショップを目にすることが減りましたが、このデータを見ると無理からぬことといえます。

次いでEC化率が多いのは、PC&周辺機器、AV機器、その他生活家電となっています。こうした商材は商品がイメージしやすいうえ、家電量販店などで買うよりも安く買えるECを利用する人が増えているようです。

いちばん売上高の高いのは食品、飲料、酒類ですが、これはEC化率でいうとわずか3.77%に過ぎません。やはり毎日食べる生鮮品などは実店舗で買う人がほとんどということかもしれません。それでもこの売上規模は無視できません。

衣類や服飾雑貨は、実店舗と違い試着ができないという短所がありますが、最近はきめ細かくサイズを表示するなど、売り手側の工夫もあって大きな市場となっています。

なお、ECでの買物のときに利用されるデバイスとしては、1位がスマホで、2位がPC、3位がタブレットとなっています。とくにスマホは80%以上の人が利用しています(PCやタブレットと併用している場合も含めて)。

ネットショップを開業するメリットとは

どんどん大きくなっているEC市場。当然ながらそこへ売り手として参入する人や企業も増えています。

ネットショップの店舗数はたいへん膨大で、その数を一桁まで正確に把握することは至難の技ですが、個人から企業、大手のECモールから自社サイトまですべてを合わせると出店数は延べ500万を超えるのではといわれています。

これほどまでにネットショップが増えている理由は、当然ながらメリットが大きいからです。では、ネットショップのメリットとはどんなものなのでしょう。

①少ない資金で開業できる 
誰もが口にするネットショップのメリットが開業資金です。リアルの店舗を出すとなったら、まずは物件を借りて家賃や光熱費を払わねばなりません。商品を陳列する棚なども必要だし、内装にも相応のお金をかけることになります。

それにひきかえネットショップの場合、店舗はサイバー空間なので、極端な話、パソコンが1台あれば開業は可能です。パソコン本体も必ずしも高級機である必要はありません。スマホアプリなどを通しての出店であればスマホで事足りるかもしれません。

他に商品を保管したり梱包したりする場所やパソコンの作業スペースなどはほしいところですが、自宅に置き場があればそれで十分です。その場合、限りなく予算ゼロに近い状態からスタートを切ることができます。

②人件費が削減できる 
実店舗の場合、営業時間中は常に誰かしらスタッフが店に立たねばなりません。店舗の規模によっては複数のスタッフを稼働させることになります。しかしネットショップの場合はその必要はありません。注文が殺到するなど、よほど忙しく人手が足りない場合は別として、普段は1人で仕事をまわすことも可能です。

③24時間営業が可能 
実店舗で年中無休の24時間営業ができているのはコンビニエンスストアくらいですが、ネットショップではそれが当たり前です。

④商圏が広い 
ネットショップはインターネットさえ閲覧できれば地球上のどこででも販売が可能です。国内だけでも47都道府県のすべてが商圏となり、地域に縛られることがありません。

⑤リスクが少ない 
かりに売上が少なく閉店を余儀なくされたときでも、ネットショップは実店舗に比べれば損失が少なくて済みます。一度閉店した場合でも、何がいけなかったのか、失敗の原因や課題をよく研究したうえで再挑戦することも比較的容易です。

もちろん、ネットショップにデメリット(欠点や短所)がないわけではありません。以下は一般によくいわれている実店舗と比較した場合のデメリットです。

①直接、商品を見る(触る)ことができない 
ネットショップと実店舗の最大の違いがここです。ネットショップでは、どんなに画像や動画、文章で商品説明をしても商品そのものに触れることはできません。衣服などは本来は試着すべき商品ですが、それもネットショップでは不可能です。ただ、売り手側の工夫と努力に加え、最近では買い手側もネットショッピングでの買物に慣れてきたせいか、この欠点は以前ほどは大きなものではなくなってきています。

②対面での接客が不可能 
実店舗と違い対面で客と接することができないネットショップでは、相手の細かいリクエストや質問、相談にすぐに答えることはもちろん、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」という挨拶すら肉声では伝えることができません。そのため仲良くなって顧客になってもらう、店主の人柄で客を呼ぶ、といったことは難しいのですが、たとえ直接のやりとりができなかったとしても親切丁寧な商品説明や迅速な対応を心がけていればリピーターをつけることはできます。

③出荷、配送作業が多い 
ネットショップでは基本的に売れた商品はすべて梱包して発送することになります。接客がないぶん、おのずとバックヤードの業務が中心となります。接客が好きな人にとっては辛いかもしれません。

④競合が多い 商圏が広大なぶん、同じものを販売する競合相手も多くなります。そのなかから選んでもらうには自分の店だけの独自性や付加価値を打ち出す必要があります。

⑤価格競争に陥りがち 
④と関連して、ネットショップでは買い手に選んでもらうために価格を下げることがよくあります。結果、商品は売れても薄利で利益はさほど上がらないという悪循環に陥ってしまいます。

このようにデメリットもあるネットショップですが、比較するとやはりメリットの方が大きいように思えます。なによりも市場規模の拡大がそれを示しています。

ネットショップの開業方法

「ネットショップを開業したい」 そう思ったら、①どんな店にして、②何を売るか、を考えましょう。

この両者はどちらが先でもかまいませんが、②が先にあればその後の展開もスムーズに運びます。

自分が売りたいものは何でしょうか。自作のアクセサリーやアート作品でしょうか、自宅の畑でとれた野菜や果物でしょうか、それとも仕入れ先が確保できている何かでしょうか。売るものが決まれば、あとはそれをどう売るかだけです。

次に決めるのは、どんな形態の店にするかです。ひとくちにネットショップといっても、その出店方法にはいくつかの種類があります。代表的なものは以下の4つです。

①専用システムを構築(フルスクラッチ)
②パッケージソフト
③レンタルショッピングカート(ASP)
④モール

ぱっと見、こんなふうに並べられても正直よくわからないという人が多いかと思います。簡単に分けると、「オリジナルの自社サイトで販売する」 or「 既存のECサイトに出店する」の2つになります。両者には以下のような長所があります。

・自社サイト:独自性を打ち出しやすい。ブランディング向き
・ECサイト:集客力がある

上記のうち、自社サイトでの販売ができるのは、レンタルショッピングカート、パッケージソフト、専用システムの3つとなります。

このうち自由度が高い順でいうと、①専用システムを構築、②パッケージソフト、③レンタルショッピングカートとなります。

①の「専用システムを構築」は細かいところまで手の届いたカスタマイズが可能で、ショップやブランドのイメージを押し出すには最適な方法ですが、個人では負担しにくい高額な費用がかかります。システム構築のサービスとしては、GMOクラウドECやec-cube、コマース21、カゴラボ、EC Directなどがあります。

②のパッケージソフトは、あらかじめネットショップを開くのに必要とされる自動生成機能やショッピングカート機能、受注管理機能などの機能やテンプレートを備えたソフトウェアです。
よく使われているのがジャストシステムの『ホームページ・ビルダー22』です。こうしたソフトウェアで作成したHPは、レンタルサーバーを借りて運営することになります。よく使われているレンタルサーバーとしては、ロリポップ、エックスサーバー、ConoHa WING、mixhost、さくらレンタルサーバーなどがあります。
初期費用はソフトが1万5,000円~2万5,000円程度、レンタルサーバーが月額数百円~数千円。ホームページ作成の知識がある程度は求められますが、費用も安くおすすめです。

③のレンタルショッピングカート(ASP)は、パッケージソフトがソフトウェアをインストールするのに対し、ウェブ上でアクセスできるプラットフォームを利用して自社サイトが構築できるというHP作成サービスです(※ASP=“Application Service Provider”の略で、ネット経由でサービスを提供する事業者のこと)。
こちらもショッピングカート機能や受注管理システムなどを備えていて、慣れていない人でも使いやすいものとなっています。
サービスにもよりますが、月額3,000円~3万円程度から利用が可能となっています。代表的なサービスとしては、MakeShop、カラーミーショップ、BASE、STORES.jp、助ネコEC管理システム、aishipRなどがあります。

「ブランディングは二の次でいい、とにかく売りたい」という人におすすめなのはECサイトの利用です。代表的なものが楽天市場やYahoo!ショッピング、Amazonなどのモールです。これら大手の巨大モールには圧倒的な集客力があり、その強さは自社サイトの及ぶところではありません。

ただし、多くのモールでは手数料が発生するため、十分な利益をあげるにはそれなりの量をさばかねばなりません。また楽天市場やYahoo!ショッピングは誰でも出店できるわけではなく、信頼できる業者であるかどうかを問う審査があります。

他に、モールよりもさらに手軽な手段としてはメルカリなどのショッピングアプリがあります。こちらはネットショップには至らない、不用品を売りたいという個人のユーザーでも利用できる点が魅力です。しかし価格や商品が流動的なこともあって、安定的な売上を得ることができるかというと疑問符がつきます。

もう一度、それぞれの方法の特徴をおさらいしてみましょう。

①専用システムを構築(自由度が高くブランディングに最適。費用が高額なため、資金力のある企業向き。一からシステムを構築するため開店まで相応の準備期間が必要)

②パッケージソフト(自由度は高め。レンタルサーバーとの組み合わせで出店する。HP作成に多少の知識が求められる。そのため専用システムほどではないが開店まで時間を要する。コストは比較的安く済む)

③レンタルショッピングカード(既存のテンプレートの使用が中心となるためオリジナリティーでは①や②に劣るが、初心者でも扱い安く、費用も手頃。開店までのスピードも速い)

④モール(圧倒的な集客力が最大の魅力。ただし出店にはクリアすべき条件が多く、誰でも利用できるわけではない。売上は期待できるが手数料も高い。ブランディングには不向き)

初心者がネットショップを開業するには

選択肢がいくつもあるうえ、それぞれにサービスも複数あるネットショップの開業方法。もし未経験の初心者が開店するにはどの方法がよいでしょう。

これがベストと言い切ることはなかなか難しいのですが、ブランディングや参入の手軽さ、費用、スピード感などを見比べてみると、多くの人にとってとっつきやすいのはレンタルショッピングカートだといえます。

レンタルショッピングカートは前述したサービスの他にもたくさんのサービスがあるので、少なくとも3~5社は比較検討して自分に合っていそうなサービスを選ぶといいでしょう。

「自社サイトを持ちたいけど、まだできるかどうか不安」「商品はあるのでとりあえず出店したい」という人ならば、メルカリShopsがおすすめです。メルカリShopsは、メルカリが個人向けなのに対し、事業者向けのサービスとなっています。

販売手数料はメルカリと同じく10%。個人向けのメルカリとの大きな違いは値下げ交渉なしで販売することができる点です。他にも異なる点は複数ありますが、個人向けのメルカリに準じた手軽さでネットショップをオープンすることができます。

「レンタルショッピングカートなどでネットショップを開店する!」 そう心に決めたら、その前にすべきことをチェックしておきましょう。以下は開店前に決めておきたい、または解決しておきたい事柄です。

・商品の仕入れ先
・販売価格
・販売資格の取得(商品によっては必要)
・個人事業主としての開業届(税務署に届出。義務ではないが出した方がいい)
・配送方法(どの配送会社にするか)
・送料
・決済方法(クレジットカード決済、銀行決済、代引きなど)
・店名
・サイトのデザイン(店舗の内装)
・倉庫(商品の保管場所)の確保
・作業場(梱包、出荷、商品撮影のためのスペース)の確保
・事業計画書(簡単なものでいいので現実的な予想に基づいて作成する)
・販促方法(SNSなど)

上記の中には開店後におこなっても構わないものもありますが、できれば事前に準備しておいてください。とくに店名やデザインはイメージしておくことをおすすめします。

最大の課題「集客」対策にはモールを活用しよう

はれてネットショップをオープンした。しかし、喜んでばかりはいられません。個人経営のネットショップの場合、開店しただけでは誰も訪れてはくれません。SNSやブログをフル活用しての販促活動、SEO対策は必須。それでも、よほど商品が良かったり、話題性がなければ集客はままなりません。集客がある程度見込める大手企業のショップですら、なかなか目標には届かないのが現実です。

そこでおすすめしたいのは、モールの併用です。楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon、この3強を合わせただけでも売上規模は約10兆円。EC市場全体の売上規模20兆6,950億円と照らし合わせるとこの3つのモールがいかに巨大な市場を独占しているかがよくわかります。ショップ側としてもこの事実は見過ごせません。

3社の特徴を簡単に説明します。

Amazon   
3つのモールの中ではもっとも参入しやすい。出店方法としては小口出品と大口出品の2種類があり、小口出品は毎月49点まで、大口出品は毎月49点以上を販売することになっています。料金は小口出品が1商品につき100円+販売手数料、大口出品は月額4,900円+販売手数料。販売手数料は6%~15%(商品によって異なる)。最低販売手数料は「なし」または「30円」となっています。この他、配送料や保管を委託する場合は在庫保管手数料も発生します。

出品者として登録するには、「出品用アカウント」「銀行口座番号や銀行コード」「請求可能なクレジットカード」「政府発行の身分証明書」「納税情報」「電話番号」などが必要となります。審査は以前に比べると若干厳しくなっているといわれていますが、他の2社に比べれば通りやすいというのが定評です(通常、24時間以内に審査結果が出る)。

ここでひとつ注意したいのは、Amazonの場合は「出店」ではなく「出品」となることです。Amazonの商品ページは画一的なデザインとなるため、店舗としての個性を出すことはほぼ不可能です(そのかわり買い手側にとってはわかりやすいデザインとなっている)。

Yahoo!ショッピング 
売上規模はAmazonや楽天市場より小さいものの、初心者に優しい魅力的なモールです。何がいいかといえば、初期費用や月額システム利用料、売上ロイヤルティなどが無料だという点です。

手数料は成約ごとにかかるシステムで、そのたびに原資負担と決済サービス手数料がかかります。金額はどの決済サービスを利用するかなどによって変わってきますが、かりにクレジットカードにした場合はおおむね決済金額の7%弱をYahoo!側に支払うこととなります。

出店の申し込みには「Yahoo!JAPAN ID」「クレジットカード情報」「会社情報(個人事業主の場合は屋号)」「代表者情報」「銀行口座情報」「出店予定商材情報」、この他、法人の場合は「登記簿謄本(履歴事項全部証明書、発行から3ヶ月以内のもの)」、「公共料金の領収書等、国税・地方税の領収書または納税証明書、青色申告承認申請書の控、社会保険料の領収書または納入告知書(納付書)のいずかれか1つ」、「運転免許証、運転経歴証明書、在留カード、マイナンバーカードのいずれば1つ」、個人の場合は「業務地住所記載の開業届、青色申告決算書もしくは賃貸借契約書のいずれか1つ」、「運転免許証、運転経歴証明書、在留カード、マイナンバーカードのいずれか1つ」が必要となすます。

楽天市場 
審査は厳しいものの、それだけに顧客側からの信頼も厚く、ネットショップとしての知名度向上にも役立つのが楽天市場です。出店には「がんばれ!プラン」「スタンダードプラン」「メガショッププラン」の3通りの方法があります。月額使用料は「がんばれ!プラン」で1万9,500円、「スタンダードプラン」が5万円、「メガショッププラン」が10万円となっています。

初心者向きなのは目標年商が140万円未満の「がんばれ!プラン」で、登録可能商品は5,000商品までとなっています。システム利用料は月間売上高の3.5~7.0%、決済サービス利用料金(楽天ペイ)が2.5~3.5%となっています。初回出店料は1年分の月額利用料と初期登録費用(6万円)を合わせた29万4,000円。3社のなかではもっとも費用がかかりますが、会員ID数は1億3,000万、圧倒的な集客力と手厚いサポートで売上増が期待できます。

手数料はけっして安くないものの、集客力は抜群のECモール。売上はモールに、ブランティングは自社サイトでという方法がとれれば、ショップ経営を軌道に乗せることもできそうです。もちろん、最終的な目標は手数料の少ない自社サイトでの売上アップです。

最後にもう一度、記事の内容を箇条書きにまとめておきます。

初心者がネットショップを開業するには、

・商品を確保する
・レンタルショッピングカート(ASP)を利用して開店
・テスト的に出店するならメルカリShopsを活用
・集客が難しいようなら楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングなどのモールに参入する、

といった方法がおすすめです。

他にも、商材や業態、自分の状況(実店舗がある、HP作成の経験がある、法人として活動しているなど)によって出店の方法は多岐に分かれます。ぜひご自分にとって最適な方法を選んで出店してください。

文・中野渡淳一

文筆業者。著書に『怪しいガイドブック~トラベルライター世界あちこち沈没記』『漫画家誕生 169人の漫画道』。この他「仲野ワタリ」名義で『海の上の美容室』「猫の神さま」シリーズ、『最強戦国武将伝 徳川家康』等小説作品多数。『moneyscience』では生活者目線で最新トレンドの記事を中心に執筆。