資産運用

岡三証券で口座開設するなら「岡三オンライン」と「対面」のどちら?違いやメリット・デメリットを解説

対面営業型の証券会社でありながら、ネット証券でもある岡三証券。うまく活用することで、他の証券会社にはない、さまざまなメリットが期待できるでしょう。本記事では、岡三証券が提供しているサービスや強み、岡三証券で口座開設をする方法などについて説明します。

岡三証券はどんな企業?

まずは、岡三証券の企業概要や特徴について説明します。

岡三証券の概要

岡三証券は、持株会社の株式会社岡三証券グループに属する証券会社です。岡三証券グループの起源は、1923年(大正12年)4月まで遡ります。当時、三重県津市で「岡三商店」という社名で創業して以来、ほぼ1世紀にわたり経営の独立を維持している老舗の証券グループです。

2024年1月現在では、岡三証券をはじめとする国内証券会社5社と海外現地法人1社、その他の事業子会社5社で構成されています。同年同月に、グループ内の岡三オンライン証券を吸収合併する形で経営統合。一人ひとりのお客さまに寄り添った対面コンサルティングサービスと、先進のトレーディングツールを活用した取引サービスを兼ね備えた証券会社となりました。

岡三証券の特徴

先述した通り、「対面コンサルティングサービス」と「先進のトレーディングツールを活用した取引サービス」を兼ね備えているのが岡三証券の特徴です。かつては、事業領域や顧客層を以下の2つに分けていました。

・岡三証券:情報力・運用力、コンサルティングを強みとした対面サービスを主に提供

・岡三オンライン証券:高機能なトレーディングツールや格安な手数料を強み

経営統合後も、それぞれの強みを維持したまま、よりサービスの幅を拡大させていくことが期待できます。例えば、旧岡三オンライン証券は、2024年1月以降、岡三オンライン証券カンパニー(岡三オンライン)として岡三証券のネット取引のサービスを継続しています。

また、従来、対面での取引を中心にしてきた岡三証券でも電話やパソコン、タブレット、スマートフォンで取引できる「通信取引口座」や、パソコン、タブレット、スマートフォンで取引できる「オムニネット」を提供。

岡三証券で口座を開設するならどの口座?

岡三証券で選択できる口座は、岡三証券の「支店口座」および「通信取引口座」、「岡三オンライン(旧岡三オンライン証券) の口座」があります。それぞれの違いやメリットを知り、自分に合いそうな口座を選びましょう。

支店口座

岡三証券の支店(店舗)で取引する口座です。担当者に相談しながら取引することができます。オムニネットを申し込むことで、パソコンやタブレット、スマートフォンから注文し、手数料を得にすることも可能です。

通信取引口座

店舗に出向くことなく、電話やパソコン、タブレット、スマートフォンから取引を行う口座です。コンサルティングサービスは受けられませんが、平日8~18時まで対応の岡三コンタクトセンターのサポートを受けることはできます。売買手数料は、支店口座に比べて割安ですが、オムニネットを別途申し込み・利用することでさらに手数料を割安にすることも可能です。

岡三オンラインの口座

パソコンやタブレット、スマートフォンなどオンラインで取引する旧岡三オンライン証券が提供していたネット証券口座です。経営統合後も岡三オンラインとして新規口座開設できます。現物株式の取引手数料は、「定額プラン」と「ワンショット」があり、定額プランなら1日の約定代金合計100万円まで手数料が無料です。ワンショットでも108円(税込み)からと業界屈指の格安手数料となっています。

口座を組み合わせることも可能

組み合わせ方によっては、2種の口座を開設・利用することも可能です。

 例

○:「支店口座の一般口座」と「岡三オンライン(旧岡三オンライン証券)の特定口座」

×:「支店口座の特定口座」と「岡三オンライン(旧岡三オンライン証券)の特定口座」

つまり、合併する前の岡三証券の口座と岡三オンライン(旧岡三オンライン証券)の口座は、どちらも特定口座でなければ開設することができます。なぜなら、特定口座は法令上、1つの証券会社につき1つしか開設できないからです。経営統合前に、岡三証券と岡三オンライン証券で特定口座を持っている場合は、どちらかを解約手続きしなくてはいけません。

「支店口座」または「通信取引口座」と「岡三オンライン(旧岡三オンライン証券)の口座」で口座開設する際には、どちらか一方が特定口座、もう一方は一般口座として開設しましょう。

岡三証券(岡三オンライン)のメリット

岡三証券で口座を開設する場合、まずはネット証券の手軽さや手数料面でお得な岡三オンラインから開設するのがおすすめです。ここからは、岡三オンラインを利用するメリットについて紹介します。

株式の取引ツールが使いやすい

岡三オンライン(旧岡三オンライン証券)が提供している取引ツールは、さまざまなランキング評価で1位に選ばれる使いやすさが魅力です。例えば、2024年に「オリコン顧客満足度ランキング」の「ネット証券分析ツール」で3年連続の1位を獲得。また、同年に「みんなの株式」の「ネット証券ランキング取引ツール」で1位を獲得しています。

株式取引の手数料無料サービスが充実

岡三オンラインは、手数料無料で株式投資できるサービスが充実しています。例えば、前述したように「定額プラン」を選べば1日100万円まで手数料0円で取引が可能です。現物取引・信用取引は、別々に計算されるため、両方合わせて最大200万円まで手数料0円で取引できることになります。ただし、取引時間中は、1つ上のランクの手数料を適用し、仮計算されるようになります。

例えば、1日の約定代金が100万円以下の場合、暫定的に1,430円(税込み)として手数料計算され、取引終了後に再計算される仕組みです。そのため、「手数料がかからないはずなのに徴収されている……」と慌てる人もいるかもしれません。100万円以下の取引を行う場合は、この点についてしっかりと認識しておきましょう。

また、現物取引に限られますが「25歳以下、国内株式取引手数料全額キャッシュバックプログラム」があります。25歳以下の場合は、国内株式(現物)取引手数料が全額キャッシュバックされるので、対象となる人にとっては非常にお得です。

事前入金不要でIPOに申し込める

岡三オンラインでは、IPO(新規公開株)へ申し込みする際、抽選に当選、または補欠当選した場合に入金すればよいため、事前入金の必要がありません。IPOは、申し込みをしたからといって当選するとは限りませんが、当選した場合は大きな利益が期待できるのが魅力の投資法です。そのため、できればよりたくさんの口座から申し込みをすると当選確率を上げることができます。

ただ、IPO申し込みに事前入金が必要な証券会社の場合は、資金を一定期間拘束されてしまう点はマイナスです。そう考えると、事前入金が不要で複数のIPOに抽選申し込みできる岡三オンラインを利用するメリットは大きいでしょう。

岡三証券(岡三オンライン)のデメリット

岡三オンラインで口座開設する前には、デメリットも知っておくことが大切です。ここでは、岡三オンラインのデメリットを紹介します。

つみたてNISAができない

岡三オンラインでは、「一般NISA」と「ジュニアNISA」の取り扱いはあるものの、「つみたてNISA」は取り扱いしていません。そのため、「つみたてNISAでコツコツと資産形成したい」と考えている人にとっては、大きなデメリットです。ただし、株式投資を目的に口座開設する人にとっては、必ずしもつみたてNISAがなくてもデメリットとはいえないでしょう。

一方で。岡三証券ではつみたてNISAも取り扱っていますので、岡三オンラインで株式投資、岡三証券でつみたてNISAを利用することも選択肢の一つです。ただし、NISAはすべての金融機関で1人1口座のみと限られているため、すでに他でNISA口座を保有している人は注意しましょう。また、一般NISAとつみたてNISAの併用はできません。

岡三オンラインの口座開設の流れ

実際に、岡三証券(岡三オンライン)で口座開設をする方法を見ていきましょう。口座開設は、次の3ステップで行います。

ステップ1:メールアドレスの登録

岡三オンラインの公式ホームページにある「口座開設申し込みフォーム」というボタンをクリックし、メールアドレスを登録しましょう。登録したメールアドレスに口座開設申込専用URLが送られてきます。

ステップ2:口座開設申込フォームに必要項目を入力

送られてきた専用URLをクリックし、画面の案内に従って氏名・住所・電話番号などの個人情報を入力します。氏名や住所などは、本人確認書類と同一でなければなりません。漢字や数字など、入力誤りがないか確認画面できちんとチェックしながら進めていきましょう。重要書面などを確認して、「同意する」にチェックを入れると、詳細情報入力フォームが開きます。

引き続き、画面の指示に従い、職業区分などの情報を入力します。

ステップ3:確認書類を提出

一通り入力した後は、確認書類を提出しましょう。提出する書類は「個人番号(マイナンバー)確認書類」と運転免許証などの「本人確認書類」です。スムーズに手続きできるように、あらかじめ手元に用意しておきましょう。なお、個人番号カード(マイナンバーカード)を提出する場合は、他の本人確認書類は不要です。

書類提出方法は、「画像アップロード」と「郵送」の2つの方法から選べます。「画像アップロード」なら、スマホで撮影してそのまま画像をアップロードできます。ここまで終われば、口座開設申し込み手続きは完了です。取引に必要なログインID、取引パスワードなどが記載されている「口座開設完了のお知らせ」が簡易書留(転送不要扱い)で自宅に郵送されるのを待ちましょう。

岡三オンラインで取引するまでの手順

岡三オンラインで証券口座の開設した後は、早速投資にチャレンジしてみましょう。取引までの手順は次の3ステップで行います。

証券総合取引口座にログイン

岡三オンライントップページ右上の「ログイン」ボタンをクリックし、表示された画面で、口座開設完了のお知らせに記載されているログインID(画面図①)およびパスワード(画面図②)を入力。「ログインするツールを選択」で「証券総合取引口座(日本株/IPO・投資信託取引画面)」ボタン(画面図③)をクリックします。

出典:岡三オンラインスターターブック

なお、口座開設完了のお知らせに記載されているのは、初期設定のパスワードです。セキュリティ対策のため、できるだけ早めに自分でパスワード変更を行いましょう。

取引に必要な資金を入金 

入金は、「即時入金サービス」と「銀行振込入金」の2つの方法があります。

【即時入金サービス】

「銀行口座→岡三オンライン口座」への振込手数料が無料で、原則入金手続き後、口座に即時反映します。ただし、岡三オンラインが提携している金融機関のインターネットバンキングを契約している場合に限られます。画面に表示されている金融機関を選んで入金申し込みをしましょう。

出典:岡三オンラインスターターブック

【銀行振込入金】

投資家個人専用に用意された入金口座へ振り込みします。「銀行口座→岡三オンライン口座」への振込手数料は、投資家本人の負担です。口座への反映は岡三オンライン(岡三証券)で確認した後となります。

出典:岡三オンラインスターターブック

取引可能

入金手続きが完了すると、実際に取引できる状態となります。ログイン後の個人ページにある「取引」ボタンをクリックし、取引したい商品(株式現物買注文、など)を選んで取引をスタートしてみましょう。

岡三オンラインで口座開設した後は得するプログラムに参加しよう

岡三オンラインでは、口座開設プログラムを実施しています。ぜひ、参加して現金をプレゼントしてもらいましょう。

・お友達紹介プログラム

【期間:随時】

年4回(3ヵ月ごと)の期間中に、岡三オンラインの口座保有者(紹介者)が知り合いを紹介し、紹介された人(被紹介者)が、判定期間中に岡三オンラインの口座開設と5万円以上の入金をすれば、紹介者と被紹介者の双方にもれなく3,000円プレゼントされます。1期間につき5名まで紹介可能ですので、1年間で最大6万円の現金プレゼントのチャンスがあります。

岡三証券の口座開設まとめ

岡三証券は、創業1923年(大正12年)の老舗証券会社です。2024年1月1日に岡三証券と岡三オンライン証券が経営統合し、対面コンサルティングサービスと、先進のトレーディングツールを活用した取引サービスを兼ね備えています。場所や時間を選ばず手軽に投資したい人は、岡三オンライン(旧岡三オンライン証券)で口座開設するのがおすすめです。

1日の約定代金合計100万円まで手数料無料になるなど、メリットも豊富なため、まずは口座開設から始めてはいかがでしょうか。

文・續恵美子(日本FP協会認定CFP(R))