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1年の終わりに家計を見直してみた 1日1,000円の出費で節約生活を送りませんか?

みなさんは1日にいくらのお金を使っていますか。値上げが重なっているこのご時世、以前に比べて出費が増えてはいませんか。家計や節約について細かく検討して考えたいけれど、そんな時間はなかなかとれない。そういう方におすすめなのが1日あたりの予算(上限額)を決めての買物です。予算はずばり1日1,000円。「お金を貯めたい」という方、実践してみてください。

我が家の家計を見直してみたら……

早いもので12月、今年もあっという間でした。この1年といえば、最後にサッカーW杯という世界中が盛り上がる楽しいイベントもありましたが、戦争に相次ぐ値上げ、円安と、家計も心も圧迫するような出来事が続きました。

そこで、家計をちょっと見直してみることとしました。

まずは下の数字をご覧ください。

12月1日(木) 4,404円(8,894円)
12月2日(金) 1,000円(1,063円)
12月3日(土) 4,825円(1万1,908円)
12月4日(日) 3,162円(6,715円)
12月5日(月) 5,206円(7,206円)
12月6日(火) 2.495円(2,495円)
12月7日(水) 9,475円(7,159円)
12月8日(木) 5,610円(5,610円)
12月9日(金) 2,055円(3,055円)
12月10日(土) 6,899円(7,259円)

これは何かというと、今年(2024年)の12月1日~12月10日までの筆者の家の食費(左側の数字)です。

()で括っている右側の数字は、食費以外の出費を足した生活費です。この生活費のなかにはガソリン代や冬用の灯油代、交通系ICカードのチャージなどの交通費、子供のヘアカット代、お風呂のバスボム代、コインパーキングの駐車料、有料道路料金、郵便代、薬代、蛍光灯代など食費以外の出費諸々が含まれています。

食費は10日間の合計で4万5,131円。生活費は合計で6万1,364円。平均すると、それぞれ4,513円、6,136円となります。

計算してみて、我ながら「うそ?」とびっくりしました。

どう見ても使い過ぎです。食費の中にはスーパーやディスカウントストアで一緒に買物をした洗剤やシャンプーなども含まれているので、正確にはもう少し低い額になるはずですが、それでも1日4,000円は下らないはずです。この中には日々嗜んでいるお酒(主に缶ビールや缶酎ハイ)代も含まれています。

この数字を単純に30日(1ヶ月)で計算すると、食費は4,513円×30日=13万5,390円、生活費は18万4,092円。ここに住居費(我が家の場合は住宅ローン=約7万2,000円)や光熱費(約3万4,000円)を加えたら月あたりの生活費は約29万円となります。

我が家は3人家族です。3人家族で29万円の支出ってどうなのでしょう。安いのか、高いのか、気になったので「3人家族 支出 平均」で検索をかけてみました。トップに出てきたのは「ナビナビ保険」の「3人家族の生活費平均はいくら?節約方法や資産形成の考え方まとめ」という記事でした。そこに総務省が公表している「子供のいる世帯の年齢層別消費支出」の調査結果が引用されていたので、自分でも当該ページを開いてみてみました。

約28万5,000円の平均より多かった我が家の生活費

公表されている総務省の調査は平成17年と、いまから15年以上も前の古いものでしたが、賃金があまり上がっていない状況を考えるとまだ十分に参考になりそうです。

この調査によると、子供のいる3人家族の生活費の平均は1ヶ月でおよそ31万円。子が3~5歳の場合は、28万4,888円でした。

我が家の出費は約29万円ですから、平均より5,000円多いくらいです。思ったよりは使い過ぎていないと気づいて、ちょっとほっとしました。

しかし、次の瞬間に忘れていたものを思い出しました。

冒頭に並べた数字は、実はすべて筆者のお財布から出ていったお金です。

我が家には、他に妻の財布があります。

妻が会社員、夫が自営業という我が家では、食材など日々の買物はどちらかというと夫が担当していますが、休日などは妻もスーパーで買物をしたり、子供の衣服などを買ったりしています。それだけでなくネットでの買物も日常化しています。携帯料金なども妻は自分で払っています。毎月の出費は5万円はくだらないでしょう。3ヶ月に1回程度は1泊程度の旅行をしているので、そうした月は10万円以上の出費となるはずです。

妻の出費を加味すると、我が家の毎月の支出は34万円~39万円。3人家庭の毎月の生活費の平均額を5万~10万円も超えることとなってしまいます。

ただ実際は、平成17年時点と比べると物価が上昇しているぶん、生活費の平均額も上がってはいるはずです。

それともうひとつ、このデータは全国平均を算出しているためか、住居費が3~5歳の子がいる家庭の場合で2万9,829円という数字になっています。

地方ならともかく、都市部ではこんな家賃や住宅ローンはあり得ません。横浜市在住の我が家の場合だと、住宅ローンは6万5,000円(さっきは7万2,000円と書いたけれど、実はこのうち7,000円は3年で終わる都市ガス工事の月払い費用だったりします)。平均と比べるとプラス3万5,000円となります。おそらく自分たちが暮らしている自治体の平均を算出したら、むしろ安いのではないかという額です。

もちろん、こうしたことを考慮しても、全国平均よりはざっと5万~7円程度は多く使っているという計算になります。

本当に自分たちは毎月こんなにお金を使っているのだろうか?

不安になったので、2ヶ月前の2024年10月1日~31日までの住居費、光熱費などを除く生活費(上記の18万4,092円にあたる額)を計算してみました。

すると合計は、31日間で15万3,712円(うち食費は12万2492円)。12月の想定合計額よりは3万円ほど安く済んでいました。だけど妻の出費分と足すと、まだまだ平均額よりは2万~4万円ほどよけいに使っていることになります。

結論を言うと、我が家には「節約」が必要です。

削るべきはやはり食費!?

家計における節約を考えたとき、まず真っ先に頭に浮かぶのは「固定費」の削減です。しかし、我が家はすでにこれを実践しています。

電力は以前から料金の安い新電力に切り替えています(最近は逆転現象で新電力によっては東京電力より割高という皮肉なことが起きたりしていますが)。

ガスは2年前の引っ越し時に、東京ガスに工事をお願いしてプロパンガスから都市ガスに切り換えてもらいました。工事費は27万円かかりましたが、試算すると5年経てば元が取れ、以後は安くなることがわかっています。

インターネットは数ヶ月前に安いところに切り替えたばかり。初年度は月500円しかかかりません。これで年間5万円ほどは節約できました。

携帯は夫婦揃って格安SIMです。二人とも月に3,000円かからないくらいです。

クルマは今年、軽自動車を燃費のいいものに乗り換えました。月のガソリン代は7,500円から3,000円程度に減りました。保険も共済で安く済ませています(月に3,000~4,000円)。やるべきことはやっているのです。

固定費は可能な限り抑え込んでいる。じゃあ何にお金がかかっているかというと、やはり目立つのは食費です。

前述した総務省のデータでは、3~5歳の子がいる家庭の食費は5万7,854円となっています。いっぽう我が家の場合は、2024年12月の試算で13万5,390円、10月の実績で12万2492円。いずれもデータの軽く2倍以上となっています。

平均額と比べて、2倍以上の食費。10月でいうなら6万4638円もオーバー。これはもうメスを入れるほかありません。

贅沢はしていないはずなのに

いったい我が家は何を食べているのでしょう。毎日、国産の霜降り牛肉に本鮪の中トロでも食べていれば心当たりもあるというものですが、実はすぐに答えは出ません。

日頃、スーパーで買っているのは1個99円~198円程度のレタスや1束98~128円の小松菜、1袋58~98円のなめこなどの野菜です。3パック79円のミニサイズの豆腐です。1リッターで178円~239円の野菜ジュースです。3個89~99円のヨーグルトです。1パック10個入りで188円~288円の卵です。肉は100グラム98~138円の鶏肉や、100グラム278円のものに「2割引き」とか「半額」のシールが貼ってある輸入牛、100グラム98~178円の豚肉などです。魚は2~3尾で350円程度のアジとかイワシ。たまにサクになったサーモンやブリ、カンパチ、タコなども買いますが、たいていは割引シールの貼られているものです。

乾物や調味料、油なども、ごく普通にナショナルブランドやブライベートブランドの廉価なものが中心です。産地や生産者にこだわって高いものを買ったりはしていません。

唯一、贅沢かなと思うのはお酒で、これは月に1万5,000円〜2万円近くを消費しています。

では外食はどうかというと、子どもの好きな回転寿司やラーメン屋、『マクドナルド』などに月に何度かは足を運んでいます。

1回の食事代は『マクドナルド』で1,000円程度、その他の店で1,800円~2,800円程度で、3,000円を超えることはあまりありません(たまにはある)。

10月の記録を見ると『マクドナルド』は4回で3,450円、その他の外食費は1万9451円で合計2万2,901円。この月は妻の誕生日があったり、偶然にも子どもが生まれてから初めての、つまり妊娠期間を含めると6年ぶりくらいとなる居酒屋での食事などが重なったので2万を超えましたが、月の外食費の平均はおそらく2万円を下回っているはずです(試しに9月の外食費を計算したら1万6479円でした)。

家計オーバー、犯人は毎日の小さな贅沢と無駄

目立つような贅沢はしていない。個々の出費を見れば慎ましいといえる生活なのに、なぜこんなに食費がかかるのか。

追求して考えていくと、いくつかのマイナス要素が見えてきました。

マイナス要素①   食材を買い過ぎる
我が家の食卓には、サラダや味噌汁、ごはんなどの他に、たいてい肉と魚の二品の料理が並びます。これには忙しい日々の中でせめて食事くらいは楽しみたいという思いと、両親と子どもでは好むものが違う(子どもが食べられるものは限られているので選択肢を増やす)、栄養バランス考えて、といった理由があります。そのため、普通の家庭だったら一品で済むところが二品になってしまうのです。

マイナス要素②   大量に買い過ぎる
スーパーなどに行って、特売品などを見つけるとつい手が出てしまう。夕方から夜にかけて、あるいは客足の鈍い雨の日、開店早々で前日の残り物があるときなど、半額シールがついて投げ売り状態になっているものがあると、これもこれもとカゴに放り込んでしまう。これは我が家ではありがちなことです。そのため、ひとつひとつの商品は投げ売り価格でお買い得でも、レジで合計するとけっこうな金額になってしまうのです。

マイナス要素③ 自炊が多い
自炊が多いとなんでお金がかかるの? 節約するのにむしろ自炊は推奨されているのでは、と思う方も多いでしょう。しかし、自炊は案外お金がかかります。

とくに煮物や炒め物など、調味料を使用する料理が多いと出費が重なります。まず第一に料理に必要な具材が多く、それぞれを買わなければならなくなります。たとえば、家庭で定番の比較的シンプルな料理といえる青椒肉絲。これだって豚肉もしくは牛肉、竹の子、ピーマンの3種類の具材が必要です。もし彩りを考えて緑の他に赤ピーマンなどを入れたければ具材は1種類増えます。こんな感じで具材だけでも数種類が要ります。

買わなければならないのは具材だけではありません。自炊生活では、塩、醤油、味噌、酢、砂糖、みりん、酒、オイスターソースなどの調味料もかなりの量を使います。生姜やニンニクなどの薬味ももちろん、サラダ油、オリーブ油、ごま油、こめ油などの食用油も常備しておかねばなりません。海苔やバター、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシング類なども必須です。そして、これらの価格が実は食費のかなりの割合を占めていたりするのです。サラダ油などが値上げされているいま、調味料の節約も大切です。
自炊は楽しいけれど、バランスを考えて、ときには調味料をあまり必要としない焼き魚や出来合いの惣菜などで済ます日をつくってもいいでしょう。

マイナス要素④  食品ロスが多い
我が家のように子どもがいる場合、食品ロスはつきものだと思います。作ったけれど食べてくれなかった、ということはどの家庭でもあるでしょう。親が子供の残したものを食べるにしても、自分の分もあるし、そうそう全部を片付けるというわけにもいきません。もったいないけど捨てるしかない、という場面も多いはずです。

マイナス要素⑤ 大量に作り過ぎる
料理をするとき、次の日も食べられるようにとつい量を多めに作ってしまうことはありませんか。冷蔵庫に入れてはおくのだけど、次の日はまた別の食材を買ってしまって、気がつくと食べるのを忘れて結局は捨ててしまう。我が家はこのパターンがけっこうあります。ここは要改善です。

マイナス要素⑥ お菓子を買い過ぎる
これも子供がいると「あるある」でしょう。いなくても甘いもの好きだったりしたら身に覚えがあるはずです。我が家の場合、強敵は玩具菓子や知育菓子です。単価の高いこういう菓子を子供が手にとったら要注意です。これだけでレジでの会計が300~400円プラスとなります。お菓子は買ってはいけないとは言わないまでもほどほどにすべきです。

マイナス要素⑦ 子供を買物に連れて行く
⑥にもつながる話ですが、子供を買物に連れて行くとよけいにお金がかかります。買物という体験も子供にとっては成長の機会なのでゼロにするのもよくはないと思いますが、回数はほどほどにした方が無難です。「1個だけよ」という親の言いつけを守ってくれる子ならばいいけれど、なかにはおやつや果物を爆買いする子もいます。また、へたにお料理好きな子だと(我が家がそうです)、「(レトルトでない)カレーがいい」「(一から作る)おでんがいい」「おうち帰ってケーキ作る」と予定していなかった献立を主張したりします。これもよけいな出費の原因となります。

以上の①~⑦に加えてお酒代、そりゃあ月に10万以上のお金がかかるのも無理はないといったところです。

1ヶ月に10日、1日1,000円デーをつくる!

この状況を改善するには、単純な話、方法はひとつしかありません。

毎日の出費を抑えるのです。

むろん、そんなことは自分でもわかっています。筆者は前々から「0円デー(1日に1円も使わない日)」を1ヶ月に一度は設けてきました。

しかし、それだけではとても足りないことがわかりました。そこで今度は「1日1,000円デー」を採用することとしました。

とにかく、1日1,000円しか使わない。どんなにお買い得なものを見つけても1,000円以上は使わない。そういう日を月に10日もつくれば、かなりの食費節約につながるはずです。

実は12月にもすでに一度それを試しています。12月2日がそうです。この日の出費は食費が1,000円。他に郵便切手が63円だけでした。食費が1,000円きっかりなのは、実は15円ばかりオーバーしたのを、ポイントカードの残高から15円充当して1,000円ぴったりにしたという若干自分に甘い方法をとったからですが、にしてもとりあえずこの日は1,000円でおさえることに成功しました。満足感はかなり高かったです。

最高なのは出費をゼロ円に抑えることです。これは結構難しいものです。なぜなら生活をしていると、毎日なにかしら買わなければならないものが出てくるからです。「牛乳がなくなった」「醤油が切れそう」「〇〇ちゃん、アイスが食べたいんだって」というふうに、出費がゼロで済むという日は滅多にありません。

その点、1日1,000円ならば必要なものくらいは買えるはずです。

家計の達人ともなれば、1ヶ月の毎日を1,000円で乗り切っています。だけど、想定外な出来事も多い子持ち家庭の場合はそこまでは無理せず、まずは月のうち何日かを1日1,000円デーとするのが現実的です。我が家の場合は10日が目標です。

もし10日間を1万円で乗りきったとします。
10月を例に考えると、12万2492円÷31日で1日平均3,951円の食費が、1,000円×10日の1万円に、31日から10日を引いた21日に3,951円をかけた8万2972円を足した9万2971円、1日平均2,999円で済むことになります。その差は2万9251円、約3万円の節約となります。

ここで算出した月の食費9万2971円は、それでも平均と比べると高い数字です。しかし、筆者は総務省の調査方法を見て「おや」とあることに気がつきました。

総務省の調査の内訳は、3~5歳の子どものいる世帯で、以下のようになっています。

  • 食材       5万7,854円
  • 住居       2万9,829円
  • 光熱・水道    1万7,560円
  • 家具・家事用品  8,673円
  • 被服及び履物   1万4,287円
  • 保険医療     1万777円
  • 交通・通信    4万1,780円
  • 教育       1万8,831円
  • 教養娯楽     3万1,551円
  • その他の消費支出 5万3,746円      合計 28万4,888円

この項目を見て、気になったのは「その他の消費支出 5万3,746円」でした。調べてみると、ここには交際費などが含まれていました。交際費には、たとえば友人と会っての食事代なども含まれます。

鑑みて、我が家の家計を振り返ってみると、自分たちにはこの「その他の消費支出」に該当するものがほぼないことに思い至りました。あっても、せいぜいどこかに遊びに行った際に妻が買う実家や職場へのお土産くらいです。この金額をかりに端数の3,746円と考えてみます。

となると、我が家は食費は多いけれど「その他の消費支出」はゼロに近い。ここだけ見ると平均的な世帯よりも5万円も安く生活しているのです。そしてこの5万円を食費代から差し引いてみると、1日1000円デーを10日設けた場合、10月の例でいうと、

9万2971円ー5万円=4万2971円

となります。ということは、食費の平均額の5万7854円よりも1万4,883円も安くなるというわけです。

いささか強引な計算方法かもしれませんが、全国平均より2~4万円かかっていると思っていた生活費が、1日1,000円デーを実践することで、平均を下回る可能性が出てきたのです(下回るかどうかは、妻の出費がどの程度になるかにもよるけど)。

あとはこれで、お酒をやめることができたら……

暗雲立ち込めていた我が家の家計に、一筋の光明が見えてきました。

家計には、食費以外にもまだまだ見直さなければならない部分があります。しかし、まずは1日1,000円デーを月に10日つくること。ここに傾注したいと思います。

みなさんも頑張って節約生活を実践してください。

文・中野渡淳一

文筆業者。著書に『怪しいガイドブック~トラベルライター世界あちこち沈没記』『漫画家誕生 169人の漫画道』。この他「仲野ワタリ」名義で『海の上の美容室』「猫の神さま」シリーズ等小説作品多数。『moneyscience』では生活者目線で最新トレンドの記事を中心に執筆。