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【個人事業主向け】請求書の書き方のキホン!おすすめソフトも紹介

個人事業主・フリーランスとして事業を始めるにあたり、大切な請求書。作り方、消費税や源泉税、送付方法など、さまざまな疑問があるでしょう。請求書に関する疑問や注意点について解説します。

請求書の書き方

個人事業主が請求書を作成する際は、取引先から規定のフォーマットを提示されない限り、自分で作成することになります。法律上のルールはありませんが、お互いが内容を理解できるよう、最低限記載すべき内容があります。順番に見ていきましょう。

【基本】請求書に記載しておくとよい7つの項目

請求書には法的ルールはありませんが、書いておくことでやりとりがスムーズになる7つの内容を紹介します。

1.宛名

請求書を送る相手の会社名または個人名、屋号などを記載します。会社の場合は「御中」、個人名の場合は「様」の敬称を使います。

2.送付者情報

個人事業主の場合は、自分の屋号または氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどを記載します。請求書内容に不備があった場合に、スムーズに連絡が取れるよう、電話番号やメールアドレスなどは必ず入力しておきましょう。また、郵送で請求書を送る場合は、封筒に住所を書くのがマナーです。

3.請求書発行日

実際に請求書を作成した日ではなく、取引相手の締日に合わせるケースが多いです。締日は各会社により異なるため、必ず確認しましょう。

4.請求内容

名称(商品名やサービス名)、数量、金額を記載します。名称については、取引相手から指定されるケースもあります。

5.消費税の記載

課税売上高が1,000万円未満の個人事業主も、消費税を請求できます。請求書には、軽減税率対象となる分(8%)、軽減税率対象外(10%)を分けて記載します。

6.振込先

振込先に必要な次の情報を記載します。

  • 金融機関名
  • 支店名
  • 口座種別
  • 口座番号
  • 口座名義(カタカナで記載)

振込手数料の負担についても必ず請求書に記載します。請求書を受け取る側が振込手数料を負担するケースが多いですが、この点もあらかじめ確認しておきましょう。

7.支払期限

支払期限については、業務開始前に先方と話し合い、必ず決めておきましょう。「月末締め・翌月10日払い」「月末締め・翌月末支払い」「月末締め・翌々月末払い」など、取引先のルールに合わせます。金融機関が休業する年末年始は、イレギュラーな締日を依頼されるケースもあるため、この点もあらかじめ確認しておきましょう。

個人事業主が作成した請求書の送り方

請求書は「郵便」または「メール」で送るのが一般的です。企業によってはメールでの請求書を受け付けていないケースもあるため、あらかじめ、先方に確認してから送ります。

郵便で送る場合

郵便で送る場合は、添え状が必要です。添え状は、送付状、挨拶状とも呼ばれており、メイン(今回であれば請求書)を送る際に添えるものを指します。添え状にも、明確なルールはありませんが、最低限書いておくべきマナーを紹介しておきます。

横書きの場合は、左上に宛先を書きます。(株)と省略せず株式会社と記載しましょう。右上には送付日を記載します。発送予定日の日付で構いません。また、請求書の日付と合わせる必要はありません。

送付日の下には、送信者である自分の屋号や氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどを記載します。押印は不要です。

添え状の文章に特に決まりはありません。「日頃の感謝の意を伝える」「請求書の送付と確認のお願い」の内容を記載し、「今後ともよろしくお願いいたします」といった文章で締めることが一般的です。

(例)

前略
平素は、格別のご愛顧を賜りましてお礼申し上げます。
請求書を送付いたしますので、ご査収の程よろしくお願いいたします。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
草々  

その下には、何をどれだけ送ったのかが一目でわかるよう、記載します。


・請求書1枚
以上  

メールで送る場合

メールで請求書を送る場合は、送り先を先方に確認します。普段業務のやりとりをしている人が請求書の処理を行っているとは限らないためです。請求書は、PDFで送ることが一般的です。

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請求書に「源泉徴収額」は書く?

個人事業主として事業を始める上で、知っておきたいのが「源泉徴収」の存在です。給与所得自体にも源泉徴収はされていたものの、自分が請求書を作成するにあたり、源泉徴収税を記載した方がいいのか、不要なのか、はっきりと分かりにくいものです。

私も個人事業主として活動を始めたときには、よくわからず困ったものです。まずは、源泉徴収制度、源泉徴収税について確認しておきましょう。

そもそも、源泉徴収って何?対象者は?

源泉徴収制度とは、所得が発生した段階(源泉)で、支払う側が一定税率の税額を差し引き、先に所得税を納める制度です。

印刷会社→デザイナーに仕事を依頼、デザイナーが確定申告を行い、所得税を申告するイメージかもしれません。しかし、印刷会社からデザイナーに支払う際に、あらかじめ源泉徴収税を引き、デザイナーの代わりに所得税として納税する、これが源泉徴収です。

ただし、源泉徴収が必要な報酬・料金は決まっています。報酬の内容によっては、源泉徴収されません。

給料以外に、個人が受け取る際に源泉徴収が必要な報酬・料金等一覧

  • 原稿料や講演料など
  • 弁護士、公認会計士、司法書士などに支払う報酬・料金社会保険診療報酬支払基金が支払う診療報酬
  • プロスポーツ選手、モデルや外交員などに支払う報酬・料金
  • 映画、演劇、音楽、舞踊、漫才などの演出、テレビ放送等の出演等の報酬・料金
  • 芸能プロダクションを営む個人に支払う報酬・料金
  • ホステス・コンパニオンやバー、キャバレーなどに勤めるホステスなどに支払う報酬・料金
  • プロ野球選手の契約金など
  • 広告宣伝のための賞金や馬主に支払う競馬の賞金 

源泉徴収税の計算方法

源泉徴収税は、100万円以下の場合「支払金額×10.21%」、100万円を超える場合「(支払金額−100万円)× 20.42%+102,100円」にて計算します。0.21%、0.42%の端数は、復興特別所得税です。

ここで気になるのは、消費税の扱いではないでしょうか。基本的には、消費税も源泉徴収の対象です。しかし、請求書に金額と消費税を明確に分けて記載している場合は、消費税を除いた金額を、源泉徴収の対象とすることが可能です。

ここで、100,000円+消費税10,000円の仕事を受けた場合を例に挙げます。

  • 報酬100,000円、消費税等10,000円と記載→源泉徴収額は10,210円
  • 報酬110,000円(税込)と記載→源泉徴収額は11,231円(※)

※計算上、1円未満は切り捨てる

源泉徴収税を多く納めていた場合も、確定申告で還付を受けることができるため、どちらが得か損かといった話ではありません。ただ、今後インボイス制度が導入されることも踏まえると、実際の報酬と消費税を別々に記載する方式をとっておいた方が良いでしょう。

請求書には「源泉徴収税」を記載した方がいい?

取引先が自分と同じ個人事業主の場合は、相手には源泉徴収の義務はありません。そのため、記載は不要です。

取引先が法人の場合は、請求書の記載の有無関係なく、先方に源泉徴収義務が発生します。そのため、書いても書かなくてもどちらでも良いとの答えになってしまいますが、私の場合は、先方に質問し、確認しています。先方の回答の一例を紹介しておきます。

  • 源泉徴収税の記載は不要、こちらで計算する
  • 源泉徴収税を請求書に記載しておいてほしい
  • 当社の規定請求書フォーマットを送るのでこれをつかってほしい

ただ、確定申告の際には今年の源泉徴収税を記載する欄があります。取引先から送られてくる「支払調書」にて確認は可能ですが、支払調書には、実は発行義務はありません。送られてこない可能性があることも踏まえ、自分できちんと管理しておきましょう。

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請求書が作りやすい!おすすめソフト

開業届を出し、個人事業主として事業を営む中で、私が使用したソフトは「MISOCA」と「freee」です。

MISOCAを選んだ理由とおすすめポイント

最初にMISOCAを選んだのは月間5通まで無料で請求書が作れる「無料プラン」が便利だと思ったからです。

  • 請求書デザインテンプレートが14種類ある
  • 他社の確定申告ソフトとも連携が可能
  • 見積書、納品書、請求書の変換がスムーズ
  • 請求書ごとのステータスチェックが便利

取引先によっては印刷し、郵送が必要なケースもあったため、テンプレートが選べる点もポイントが高いと感じました。

freeeを選んだ理由とおすすめポイント

現在使用しているのは、freeeのスタータープラン(月払い1,180円、年払い11,760円)です。30日間の無料プランを使用した後、有料プランに移行しました。

  • 請求書と会計が自動連動
  • 請求書テンプレートのカスタマイズが可能
  • Webで見られるスマート請求書を送ることができる
  • もちろん請求書をダウンロードし、PDF添付での請求書送付も可能
  • 請求書の消費税の端数調整ができる
  • 使い方の不明点は、チャットサポートで質問できる

今回紹介した2つ以外にも、請求書を作成できるソフトはいくつもあります。有料プランであれば、無料体験を通じて自分にとっての使いやすさや利便性をチェックしておくといいでしょう。

請求書・見積書・納品書・領収書の違い

個人事業主の場合、仕事のスキルが高いとしても、経理作業も得意な人ばかりとは限りません。事業以外の部分についても、自分で行う必要があり、これは会社員時代とは大きく異なる点です。ここでは、請求書を含む使用頻度の高い4つの書類について、目的をおさらいしておきましょう。

見積書=トラブル防止&依頼主の比較検討材料

見積書は、依頼された仕事や注文内容に対しての納期や金額を記載するものです。「言った・言わない」などのトラブルを避けるためにも役立ちます。また依頼主としては、複数から見積もりをとり、最も条件の良い依頼先を選ぶために使用するケースが多いです。

先ほど紹介した「freee」のようなソフトを使用し、見積書を作った場合、同じ内容のままで請求書に変換することも可能です。見積書はwordやExcelなどで作ることも可能ですが、個人事業主として独立したばかりの人の場合、見落としや入力忘れなども考えられます。

見積書にミスがあると、先方から「仕事ができない人」と思われる可能性もあります。また作業効率を高めるためにも、既存テンプレートやソフトを使用することをおすすめします。

納品書=納品物と一緒に届ける

納品書は、納品物と一緒に先方に届ける書類です。納品日、納品の品物名、数量、金額などを記載することが一般的です。納品書そのものには発行義務はありませんが、納品書をセットにしておくことで、先方が内容の確認をしやすくなるといったメリットがあります。

契約から納品までかなりの期間が空いた場合は、細かな内容を忘れてしまうケースもあります。そういった場合も、納品書を見ることできちんと確認ができるというわけです。

請求書=入金依頼

仕事を終えた、依頼された商品を納品したなど、契約を果たした後に送る書類です。個人事業主の場合、基本的に請求書を送らなければ支払ってもらえることはありません。親切な取引先の場合は「この前依頼した仕事の請求書を送ってください」と伝えてくれることもありますが、言われる前にしっかり送るようにしましょう。

領収書=代金を受け取ったことの証明書

依頼された仕事を終え、代金を受け取った後に発行するのが「領収書」です。必ず代金を受け取る、入金確認を終えてから発行しましょう。間違って代金を受け取る前に発行し、手渡してしまうと、入金されなくなる可能性があります。

また、領収書の発行義務はありますが、再発行に関する義務はありません。

請求書を正しく理解し発行を!

個人事業主にとっては、請求書を発行し、代金を受け取るところまでが一連の仕事です。今回は、請求書の書き方や源泉徴収の扱い、便利なソフトの紹介、「請求書」「見積書」「納品書」「領収書」の目的と意味など、個人事業主・フリーランスとして知っておきたい請求書にまつわるさまざまな情報をまとめました。ぜひ参考にしてください。

文・柚月朋子

フリーランスとしての経験やポイント投資からスタートした経験を活かし、年間200本以上の記事を執筆・監修。投資初心者にわかりやすい記事執筆が目標。