「仮想通貨ってどんなもの」「興味はあるけどなんだか不安」と感じている方はいませんか?近年、その価格の高騰から投資の人気が高まっている仮想通貨。ニュースやテレビなどで見聞きしているものの、仕組みが分からずに取引を始めるのにためらっている方もいるかもしれません。
しかし、仮想通貨の仕組みや特徴を知ることで不安は解消できるでしょう。この記事では、仮想通貨の仕組みや特徴・種類、仮想通貨取引所などについて分かりやすく解説します。この記事を読むことで、仮想通貨の基本を理解したり、安心して仮想通貨取引にチャレンジできるようになったりするでしょう。
仮想通貨とは
仮想通貨の正式名称は、暗号資産です。インターネット上でやり取りされる通貨のことをいいます。円や米ドルといった法定通貨は、紙幣や硬貨のような実体があるものです。一方で、仮想通貨は実体がなくデジタルデータとしての存在となります。ビットコインを表現する際に、コインにBの文字が掛かれているイメージを見かけたことがある方もいるかもしれません。
しかし、あくまでこれはビットコインのイメージです。実際には、そのようなコインは実在しません。ビットコインは、2009年に仮想通貨として初めて誕生しました。それ以降、リップルやイーサリアムなどさまざまな仮想通貨が誕生し、2024年時点で1万種類以上あります。
仮想通貨は、それ自体が投資資産として利用可能です。近年は、価格の高騰からニュースで取り上げられることも増えたため、仮想通貨投資を始める方も増えてきています。また、通貨のためさまざまな決済や取引の手段として利用することが可能です。仮想通貨を取扱っている店舗では、実際に購入の決済方法として利用できます。
例えば、日本でも大手家電量販店で仮想通貨決済が可能です。また、インターネット上でやり取りされるため、「世界中どこにいても時間を気にすることなく送金ができる」という特徴もあります。
仮想通貨の仕組み
仮想通貨は、インターネットでやり取りされる通貨のため、特別な技術や仕組みで支えられているものです。通貨によって仕組みは異なりますが、代表的な仕組みには、次のようなものがあります。
- 秘密鍵や公開鍵
- ブロックチェーン
- 取引の認証とマイニング
秘密鍵や公開鍵
仮想通貨の重要なセキュリティ技術の一つに「公開鍵暗号方式」というものがあります。暗号化するための「公開鍵」と暗号を復号するための「秘密鍵」のペアで、取引データを暗号にしてやり取りする方法です。公開鍵は、誰でも手に入れられるものですが、秘密鍵は自分しか扱えません。
この2つの鍵は、例えば公開鍵が銀行の通帳とすれば、秘密鍵は暗証番号のようなものといえるでしょう。データの送受信は、次のような流れになります。
・受け手側が秘密鍵から公開鍵を作成
・作成した公開鍵を送り手に送る
・送り手は受け取った公開鍵でデータを暗号化
・受け手は受け取ったデータを自分の秘密鍵で解読
暗号化された情報をもとに戻せるのは自分の持っている秘密鍵だけとなるため、自分だけが改ざんされていない情報を受け取れるのです。秘密鍵は、ほかの人に知られると自分の資産が脅かされることになります。秘密鍵の管理は、非常に重要になるため、絶対に第三者に公開したり漏えいしたりしないようにすることが必要です。
ブロックチェーン
仮想通貨のやり取りは、特定のサーバーなどで一元管理しているのではありません。世界中のインターネット上で分散して管理されています。その管理技術の一つがブロックチェーンです。ブロックチェーンは、すべての取引データを記した台帳のようなもので、分散型台帳とも呼ばれています。
トランザクションと呼ばれる決済や送金などの個々のやり取りデータは、ある程度集まると一つにまとめられ、これがブロックと呼ばれているのです。ブロックが鎖のように次から次へとつながっていくため、ブロックチェーンと呼ばれています。ブロックチェーンは、世界中の取引参加者によって管理されているのが特徴です。
そのため、不正があってもすぐに発見され、改ざんや書き換えなどができない仕組みとなっています。
取引の承認とマイニング
仮想通貨の取引は、やり取りが承認されることでようやく取引完了となります。取引の承認は、マイナーと呼ばれる人により行われるものです。マイナーは、取引データを検証・承認し、ブロックチェーンへ新しいブロックを追加します。取引データは、ブロックに属することで正しいやり取り情報として承認され、取引が完了となるのです。
このブロックへの追加作業をマイニングと呼んでいます。
仮想通貨の特徴
仮想通貨の特徴には、次のようなことがあります。
・中央管理者が存在しない
・発行上限がある
・マイニングできる
・海外でも換金なしで決済できる
中央管理者が存在しない
法定通貨は、国や中央銀行といった特定の管理者が存在します。しかし、仮想通貨は特定の管理者に管理されないのです。インターネット上で、不特定多数の参加者によって管理されることで仮想通貨取引は成り立っています。例えば、法定通貨であれば国家などが管理するため、その価値は国が保証しているのが特徴です。
ただし、国が管理するため、国の情勢などに通過の価値が左右される可能性があります。経済状態や、国の政策・市場変化などによって法定通貨は、価値が大きく上下することがあるのです。一方で、仮想通貨は特定の管理者がいないため、国の状態などで価格が左右される可能性は低いでしょう。
つまり、仮想通貨の価値は、純粋に需要と供給のバランスによって決まっているのです。
発行上限がある
仮想通貨によっては、誕生した時点で発行上限が決められているものがあります。法定通貨は、中央銀行などが経済状況に応じてその発行数量を調整するものです。仮想通貨の場合、発行上限が決められておりその数量は変更されません。
例えば、ビットコインは2,100万BTC、リップルは約1,000億枚など仮想通貨によって、上限が異なります。しかし、上限に達した仮想通貨は、それ以上発行されることはありません。上限があることで、発行数量が抑えられ仮想通貨の希少性が高まり、価値を高められるといえるでしょう。
マイニングできる
先述した通り、仮想通貨の取引にはマイニングと呼ばれる認証作業が必要となります。マイニングには、莫大な計算量が必要です。また、マイニングを成功した人に報酬として新しい仮想通貨を得ることができます。
取引承認のルールをコンセンサスアルゴリズムといい、ビットコインでは「PoW(プルーフ・オブ・ワーク)」と呼ばれるルールが採用されています。PoWとは、ビットコインを初めとした暗号資産(仮想通貨)の取引や送金データを正しくブロックチェーン(block chain)につなぐための仕組みです。
しかし、マイニングは莫大な計算量を処理できる高性能なマシンやマシン稼働の電力を賄えるだけの資金が必要です。ビットコインのマイニングは、それらを賄える企業や団体に占められているといわれているため、個人でマイニングの報酬を得るのは現実的ではありません。
海外でも換金なしで決済できる
仮想通貨は、それ自体が世界共通の単位となるため、国が変わっても換金の必要はありません。法定通貨は、別の国で利用するためには換金が必要です。換金する場合は、換金手数料だけでなく、為替レートによっては損が発生することもあるでしょう。換金の必要のない仮想通貨であれば、換金手数料の必要もなく、世界中どこでも利用できるのです。
仮想通貨の種類
1万種類以上あるといわれる仮想通貨。ここでは、その中でも代表的なものについて解説します。
ビットコイン
仮想通貨といえばビットコインを想像される方も多いでしょう。ビットコイン(BTC)は、世界で最初の仮想通貨であり、最も知名度もあります。サトシ・ナカモトという人物によってネット上に構想が公開され、その構想をもとに2009年に誕生しました。
決済や取引を安く・早くできることを目的に開発され、今では世界中の多くの店舗などでも決済の手段として利用されています。また、決済や取引としてだけでなく、2017年後半から価格が暴騰しはじめ、投資対象としても注目が高まっているといえるでしょう。ビットコインから派生した仮想通貨も多く、仮想通貨の基軸ともいえるものです。
リップル
リップル(XRP)は、国際送金の利便性を高めるために開発された仮想通貨です。中央管理者のいないビットコインに対して、リップルは発行元のリップル社に運営されています。また、処理速度が速いことも特徴です。ビットコインに比べて、格段の速さで決済処理できる点は大きなメリット。
国際送金などで、今後活躍の幅を広げていくことを期待されています。
イーサリアム
イーサリアム(ETH)は、2015年に誕生した仮想通貨。ビットコインに次ぐ知名度と時価総額を誇り、仮想通貨の中でもメジャーです。イーサリアムは、もともとアプリ開発などのプラットフォームのことを指し、そのプラットフォーム内で利用する仮想通貨として開発されました。
イーサリアムは、スマートコントラクトを搭載している点が大きな特徴です。スマートコントラクトとは、「契約の自動化」のこと。一定の条件を満たした場合、自動的に契約が実行される仕組みです。これにより、契約の手間やコストを大きく削減することが期待できます。
今後、実用化が進むと金融システムなど、あらゆる契約の形を変える可能性を秘めているといえるでしょう。
その他のアルトコイン
ビットコイン以外の仮想通貨をまとめて、アルトコインと呼びます。上記のイーサリアムやリップルもアルトコインに含まれるのです。アルトコインの中でも、リップルのように頻繁に取引されるメジャーなものは100種類ほどといわれています。その多くは、価格が安く知名度も低いものといえるでしょう。
草コイン
アルトコインの中でも、さらに時価総額が低い仮想通貨を草コインと呼びます。草コインは、価格が安いだけでなく、取引数量だけでなく流通量も少ない傾向です。そのため、将来性を見込んで投資すれば、大きな利益を生み出す可能性もあるといえるでしょう。ただし、価格変動も激しいため損失も大きくなる可能性もあるものです。
仮想通貨投資は、ハイリスク・ハイリターンですが、その中でも草コインはさらにハイリスク・ハイリターンといえるでしょう。
仮想通貨を手に入れる方法
仮想通貨を手に入れる方法には、次の3つがあります。
- 仮想通貨取引所で購入する
- マイニングで手に入れる
- 第三者から送金してもらう
仮想通貨取引所で購入する
最も一般的な方法は、仮想通貨取引所で購入することです。仮想通貨取引所とは、仮想通貨の売買や口座の管理など仮想通貨の関わる多くのサービスを提供する場所のこと。仮想通貨取引所には、基本的に「販売所」と「取引所」の機能があります。
・販売所:仮想通貨取引所が所有する仮想通貨を販売する場所
・取引所:仮想通貨を売りたい人と買いたい人を結び付ける場所
どちらも仮想通貨を手に入れられますが、取引所は個人から、販売所は企業から購入しているというイメージです。販売所であれば、安定して早く仮想通貨を購入できますが、割高な傾向があります。取引所では、安く購入できる可能性もありますが損する場合や取引に時間がかかる場合もあるものです。
取引所と販売所は、購入の目的に応じて使い分けるとよいでしょう。
マイニングで手に入れる
マイニングの報酬として手に入れることも方法の一つです。しかし、先述の通り仮想通貨のマイニングは個人で成功する可能性が低いため、報酬を得ることは非常にハードルが高くなります。
そのため、個人で行う場合は、マイニングをグループで行うグループマイニングや、マイニングしている企業に投資するクラウドマイニングと呼ばれるマイニング方法もあるため、検討してもよいでしょう。ただし、どのマイニングも経験や知識がなければハードルは高いので注意が必要です。
第三者から送金してもらう
仮想通貨は、個人間での送金も可能です。仮想通貨を保有している第三者から送金してもらうことで手に入れられるでしょう。知り合いや掲示板を利用して相手を探して、個人間でやり取りすることで仮想通貨を得ることができます。また、近年は仮想通貨を投げ銭として手に入れる方法も一つです。
投げ銭とは、インターネット上で応援したいユーザーやクリエイターにチップとして金銭を渡すこと。この投げ銭に仮想通貨を使われることが増えてきています。仮想通貨で投げ銭できるサイトもあるので、利用を検討するとよいでしょう。
ただし、個人間の送金や投げ銭などは取引所などを介さないため、送金ミスやトラブルに発展する可能性もあるため、注意が必要です。
仮想通貨取引所を利用すれば、安全に仮想通貨を手に入れられるため、特に初心者は仮想通貨取引所の利用をおすすめします。
仮想通貨を購入できる取引所
仮想通貨取引所は、その数も多くどれを利用すればいいのか悩むものでしょう。ここでは、利用のしやすい取引所として次の3つをご紹介します。
コインチェック
東証1部上場企業「マネックスグループ」を親会社に持つのがコインチェック(Coincheck)。ビットコインをはじめ、16種類の仮想通貨を取り扱っており、その数は国内の仮想通貨取引所の中でも最も多いものです。また、取引手数料・入金手数料が無料という、うれしいポイントもあります。
セキュリティ対策も万全で、スマホでも簡単に利用できるので、初心者でも利用しやすいといえるでしょう。
GMOコイン
東証1部上場企業「GMOインターネットグループ」を親会社に持つのがGMOコインです。1,000円未満の少額から始められ、口座開設手数料などもかからないため、気軽に始めることができます。初心者~上級者まで幅広い取引スタイルに対応したアプリが利用でき、セキュリティ対策も万全です。
初心者にも分かりやすく、安心して仮想通貨取引を始められるでしょう。
DMM Bitcoin
幅広い事業展開の「DMM.comグループ」を親会社に持つ、DMM Bitcoin。最大2倍の金額で取引できるレバレッジ取引に力を入れており、12種類の仮想通貨で対応しています。少ない資金でも大きな金額で取引できるので、低コストで取引の幅を広げるのにおすすめです。
金融商品取引業者としても登録されており、金融事業の長年のノウハウを活かしたシステムもあるので、安心して利用できるでしょう。
仮想通貨の基本を理解して、一歩を踏み出そう
仮想通貨の仕組みや特徴、仮想通貨取引所について解説しました。インターネット上でやり取りされる電子データとなる仮想通貨。投資の対象としてだけでなく、決済や送金などにも利用でき、世界中のどこでもいつでも利用できる点が大きな特徴です。
通貨の種類や取り扱っている仮想通貨取引所・決済できる店舗も増加傾向のため、今後仮想通貨はさらに普及していく可能性が高いといえるでしょう。この記事を参考に、仮想通貨の基本を理解して仮想通貨取引のチャレンジの第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。